Veolia Waterは2008年9月25日、AquaNet Sydney Pty Ltd(Jemena Ltdグループの1社)とともに、オーストラリアで複数の産業利用者のネットワークのための最初の民間の水リサイクル計画についてSydney Water Corporationとの契約に署名した。
この契約は、ニューサウスウェールズ州政府のイニシアチブの一環をなすもので、シドニー西部にあるローズヒル(Rosehill)とカメリア(Camellia)の飲料水供給に対する需要の削減を図るものである。
また、Veolia Water にとって20年間で1億2200万ユーロ(約146億円)という推定累積売上高となるこの契約は、ローズヒル・カメリア・リサイクル水施設(Rosehill and Camellia Recycled Water Plant)の建設・所有・運営プロジェクトである。この施設によって、主な産業の顧客のために年間430万m3の高度処理水が生み出されることになる。この施設は、特にどのような将来のいっそう高い需要にも対処できるように設計されて、そのほかの産業のために年間300万m3の追加のリサイクル水を生み出すことができるようになる。
建設の第1段階は、2009年初めに始まる予定で、Veolia Waterの子会社Veolia Water Solutions & Technologiesが日容量2万m3の水リサイクル装置の建設の責任を負うことになる。Veolia Waterは、このプロジェクトに資金を提供するために3000万ユーロ(約36億円)を投資し、20年間同施設の運営を保証する。
AquaNetは、20 kmのパイプラインで結ばれた2カ所のポンプ場と3カ所の貯水池からなる水路網を設計、建設、所有そして運営する。このパイプライン網の一部には、既存の余分なガス管のインフラが使われる。
この契約の需要性について、Veolia WaterのAntoine Frérot最高経営責任者は、「これらの設備によって、シドニーの西部にある産業の顧客に上質のリサイクル水が供給されて、天然資源に対する圧力が軽減され、住民に必要な飲料水430万m3が節約されることになる。この契約によって、わが社の存在が強固になり、大変な渇水を経験している世界の1つの地域における代替資源についてわが社が専門知識を持っているということが裏付けられた」と述べた。
さらに、同氏は、「Veolia Waterは、すでにシドニーに近い海岸近くの町GerrigongとGerroaの農業用リサイクル水とパースの南にあるクイナナ(Kwinana)の工業用リサイクル水に関与している。また、われわれは、南半球でもっとも重要な水リサイクル・プロジェクト「西部回廊地帯プログラム(Western Corridor Programme)」についてクイーンズランド州政府と協力している」と述べた。