世界の汚泥処理市場、2013年には58億ドルへ

BCC Researchがこのほど発表したSludge Treatment: The Global Market(汚泥処理:世界の市場)と題する報告書によると、汚泥処理技術の世界市場は2008年には46億ドル(約4500億円)と推定され、2013年には58億ドル(約5700億円)に達するものと予測されている。これは年平均4.6%の成長率に相当する。

 

報告書は汚泥処理の世界市場を、4つの部分――北米汚泥処理市場、国際汚泥処理市場、北米悪臭防止市場、および国際悪臭防止市場――に分けて論じている。

このなかで最大の部分を占めるのは国際汚泥処理市場で、2008年には21億ドル(約2100億円)の規模があったと推定されている。この市場は2013年には26億ドル(約2600億円)となり、これは年平均成長率にすると4.5%になる。

つぎに大きいのは国際悪臭防止市場で、2008年は12億ドル(約1200億円)と推定され、年平均4.6%で成長して2013年には15億ドル(約150億円)に達すると予測されている。

3番目は北米悪臭防止市場で、2008年の市場規模は推定7億5000万ドル(約740億円)、これが年平均5.2%の割合で成長し、2013年には9億7000万ドル(約950億円)になると予測されている。

4番目の北米汚泥処理市場は、2008年が推定6億ドル(約590億円)で、これが2013年には7億3000万ドル(約720億円)に達する見込みである。この間の年平均成長率は4.1%となる。

 

汚泥は、オンサイトの腐敗槽にせよ、オフサイトの活性汚泥プラントにせよ、下水処理の過程で発生する。未処理の汚泥を長時間貯蔵しておくと悪臭が発生し、その悪臭の処理が必要になる。

処理する下水の量が増え、下水処理の質が高まるにつれ、汚泥の量が増えてくる。BCC Researchは、汚泥の中和と貯蔵に関する処理の必要性は世界的にさらに増えると見ている。その結果、汚泥の処理、管理、および再利用の技術への需要も、今後とも増えていくと報告書は結論づけている。

 

BCC Researchによれば、汚泥の処理が長年にわたって無視されたり軽視されたりしてきたために、下水処理施設は大量の汚泥に対処したり、法規や基準を満たすべく汚泥を処理したりする必要にせまられている。こうしたことから、下水処理施設はより進んだ技術を求めるようになってきている。

 

2013年までの汚泥処理と悪臭防止の世界市場(単位:100万ドル)

2005 2006 2007 2008 2013 年平均成長率(%)
2008-2013
国際汚泥処理市場 1,815.7 1,885.8 1,964.1 2,050.5 2,559.2 4.5
国際悪臭防止市場 1,078.3 1,123.6 1,172.5 1,225.0 1,530.4 4.6
北米悪臭防止市場 648.3 679.1 713.1 750.0 968.2 5.2
北米汚泥処理市場 540.0 557.7 577.6 600.0 733.8 4.1
4,082.3 4,246.2 4,427.3 4,625.5 5,791.6 4.6

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