ヴィクトリア州淡水化プラント・プロジェクト、認可へ

オーストラリア・ヴィクトリア州のHolding水担当大臣は2009年3月上旬、連邦政府のGarrett環境・遺産・芸術大臣が、ヴィクトリア州の淡水化プラント・プロジェクトの環境影響評価を承認したことを歓迎した。

Holding大臣は、「Brumby政権は、水をもっと有効に利用し、国内最大の淡水化プラントの建設などによって水資源を多様化して、ヴィクトリア州の住民に水供給を保障する取組みを行なっている。環境保護および生物多様性保全法(Environment Protection and Biodiversity Conservation Act)に基づき、淡水化プラント・プロジェクトの認可が下りたことは、プロジェクトが環境面で大きな節目を迎えたことになり、我々の環境調査が包括的かつ厳密に行なわれたことを示している」と述べている。

さらに、ヴィクトリア州政府は、200人以上の専門家や80冊以上の専門技術報告書からアドバイスを得ることによって、国内で最も包括的な環境影響評価プロセスのひとつを実施した。これらの専門技術報告書は、環境保護および生物多様性保全法に基づいて、連邦政府が検討するために提出されたものである。このような広範な環境調査によって、プロジェクトで長期的または取り返しの付かないような環境への影響はないことが明らかになった、とHolding大臣は語った。

 

この淡水化プラントは、官と民のパートナーシップ、いわゆる「PPP」で進められ、プラントの建設および操業、長さ85kmの輸送用パイプライン、プロジェクトに必要な電力の供給および再生可能エネルギーの購入も含まれる。Holding大臣によると、この淡水化プラント・プロジェクトで年間1500億リットルの水、つまりメルボルンが1年間に必要とする水量の3分の1以上が供給されことになるという。また、この淡水化プラントは、雨に依存しない水資源をメルボルン、ジーロング、ウェスタンポートやサウスギップスランドの町に提供することになる。Holding大臣は、「このことは、気候変動により、将来、降雨をそれほど期待できなくなる恐れがあるため重要だ」と付言している。

 

ヴィクトリア州環境保護庁も、このプロジェクトに対して作業認可を最近発行している。今後さらにさまざまな環境、計画および沿岸に関する対策が策定され、それらが認可されれば、まだ残されている必要なコンセンサスも必ず得られるであろう。最終候補に挙げられた入札企業2社は、提案要求プロセスの一環である、2009年3月末締め切りの競争入札に備えている。

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