Bloomberg.comが2009年11月13日に報じたところによると、General Electric Co.(GE)のJeffrey Immelt会長兼CEOは、50億ドル(約4500億円)規模と推定される水道ユーティリティや政府向けの水濾過・再生利用市場でのシェアを拡大するため、この分野での研究開発費を大幅に増大させていくことを明らかにした。以下は、このBloomberg.comによる報道の概要である。
Immelt会長兼CEOのこの発表は、11月12日にGEのジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所(クロトンビル・ラーニング・センター)で開催された「From Used to Useful」と題するGEの水リユース・ソリューションに関するリーダーシップ・サミットでおこなわれたもので、これには水ビジネス企業のほか、政界や学界からもリーダーたちが参加した。この席でImmelt会長兼CEOはつぎのように述べた。「われわれは、これがアメリカばかりでなく中国でも大きなビジネスになると考えている」
さらにImmelt会長兼CEOは、将来において持続可能な水供給を確保するために水リユースが果たす役割について触れ、こう述べた。「中東全域が逼迫した状態にある。したがってこれは、ひろく共有されるべき問題だ」
GEは、向こう2年ないし3年のあいだに、水ビジネス部門の研究開発費を50%増やすことを計画している。GEの一部門であるGE Energyで水と電力装置関連のビジネスを統括しているSteve Bolzeは、GEが廃水処理とリユースを成長の「最大のチャンス」と考えていると、Bloombergの取材に答えている。だが同時にBolzeは、GEの水部門がこれにどれだけ投資するか、明らかにするつもりはないとも述べている。
とはいえ、GEはすでにシンガポールに開設した水処理技術の開発センターに向こう10年間に1億3000万ドル(約120億円)を投じるほか、サウジアラビアにも技術センターを開設している。その一方でGEは、今後も水処理用各種製品を水道ユーティリティや自治体向けにひきつづき販売していくことにしている。こうした動きについてBloombergの報道は、「GEは、金融部門であるGE Capitalを縮小して、Immeltがインフラ部門と名づけた国家や企業相手の製品提供ビジネスへの投資を拡大していこうとしている」と述べている。
このリーダーシップ・サミットに参加したシンガポール公益事業庁のKhoo Teng Chye長官は、Bloombergの取材にこう答えている。「われわれがシンガポールで成し遂げようとしていることのひとつは、シンガポールを水のソリューションのハブにすることだ。そのため、われわれは、GEその他の多国籍企業をシンガポールに誘致してきた」
同じくこの集まりに参加したEdward Rendellペンシルヴェニア州知事は、同州は現在のところ水の問題に直面してはいないが、水供給の懸念が全米にひろがりつつあるいま、「その日は早晩やってくる」と述べた。