中西部の都市や郡の代表者らは2010年1月19日、環境保護庁(EPA)のストームウォーター管理規則を拡大する計画に対して、地方政府には新たな金のかかる上、変更できなかったり、資金支援もなかったりする命令はいらないと同庁に対する不満を示した。
EPAは2009年12月28日、新たな開発や再開発のサイトから排出されるものを含むストームウォーターの排出を減らすことを目的とした規則作成プロセスを知らせる連邦官報の通知を発表し、数回の聞き取り会合を含むさまざまな手段を通じて一般の人々からのアドバイスを求めた。
上記の代表者らのEPAに対する不満は、シカゴの同庁の第5支局で開かれたこの聞き取り会合の第1回で示されたものであった。
この会合でEPA廃水管理局のJonathan Angier氏は、下記の5つの点でストームウォーター規則の変更を検討していると述べた。
- 対象範囲の拡大。現在は、10万人以上の人々の住む都市部と一部の生産工程を対象に設置されている中規模および大規模の「自治体の分流式雨水下水道(MS4s)」のストームウォーターの排水のみに許可要件が課されている。
- すべてのMS4sに共通の単一のストームウォーターの要件。
- 既存のMS4sのストームウォーター抑制措置の強化。
- 新規に開発されたり再開発されたりした区域のストームウォーターの抑制のための別の要件。
- 生態学的に敏感な地域について、追加のストームウォーター対策プログラムの変更。
これに対して述べられた都市や郡の当局者などの意見をまとめると、次のようになる。
- これらのプログラムの拡大に対処するには多額の費用がかかるので、自治体が財政的な困難を抱えている現在、EPAが財政的支援の仕組みを提供しなければ、その実施は難しい。
- EPAは、全国の自治体が直面している、気候、地理、環境、財政などの広範囲の問題点を考慮した弾力的な規制を作成すべきである。
- EPAは、全国の自治体が持つ上記のような問題点の違いを把握するために、総合的な調査を実施すべきである。
- 自治体がそのストームウォーター・システムを大幅に改良するために必要な人的・物的資源、技術(グリーン(環境に配慮した)インフラに関する技術を含む)、制度的知識などを得ることができるよう、これらの拡大プログラムを多年にわたって段階的に導入すべきである。