ポーランド水管理局(KZGW)、2030年までの新たな水関連政策案を策定

ポーランド水管理局(KZGW)は、2030年までに実施すべき水関連政策の改革案を策定した。ポーランドはこの分野でEU基準を満たしていないため、抜本的な制度改革が求められていたという背景がある。

改革実施に必要な資金は2030年までに1,870億ズウォティ

同案によると、2030年までに必要な資金総額は1,870億ズウォティ(約5兆円)で、そのうち60%は民間投資を見込んでいる。なお環境省の発表によると、総額1,870億ズウォティの3分の1にあたる620億ズウォティは2010年~2016年の期間に投入される予定となっており、2016年まではこの一部でEU基金の拠出が確保されている。しかし、主要な資金源としては水道ならびに関連サービス利用料金、さらに環境損害補償に関わる税徴収などが投入されることになる。

水関連の行政機構の改革

水分野におけるEU法規に対応するにあたって、同案には①地方自治体への権限移譲、②現行の地域水管理センターに代わり、「ヴィスワ(Wisla)川―オドラ(Oder)川」流域の管理にあたる新たな組織の設置、といった行政機構の改革が盛り込まれている。

国家プログラムKPOSK

中期計画として2015年までの水関連事業をとりまとめたものとして「地方自治体における下水浄化に向けた国家プログラムKPOSK」があるが、これは政府によって既に採択されている。住民数15,000人以上の市町村を対象としたもので、必要な投資総額は300億ズウォティと見られている。同プログラムの枠組みで、318の市町村における浄水施設の新設・改築工事ならびに全長2万kmに及ぶ下水システムの拡張・近代化工事が実施される予定となっている。

このほか改革案には、洪水対策、バルト海汚染防止ならびに国内の河川や運河の近代化工事などの計画も含まれている

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