GEが中国・無錫の水処理製品生産工場を大幅に拡張して生産能力を倍増

2011年4月6日、急成長する中国のクリーンエネルギー部門と水インフラ部門へ相次ぐ投資を行っているGEが、また新たな投資を行い、長江デルタの無錫市の「新区開発区」の水処理製品製造工場の生産能力を倍増したことを発表した。拡張した工場は中国政府が力強い経済成長を持続させるために国内のエネルギー・水インフラの近代化を推し進める中で、地元の顧客からの注文に応える時間を大幅に短縮したという。

無錫工場の拡張は、世界的にも地域レベルでも製造サプライチェーンを拡大するとともに、中国における顧客との関係を深めようとするGEのより大きな取り組みの一環であり、2010年11月に、2012年までに20億ドル(約1630億円)以上を投資し、中国におけるGEの技術革新と顧客サポートの能力を拡充し、中国の有力企業と技術面や金融業務の面で新たな協力関係を構築する計画を発表していた。

その結果、GEは無錫工場に面積約100平方メートルのクラス1000のクリーンルームを新設し、製造プロセスのさらなる自動化を進め、試験施設や高度な透過膜剖検能力も拡充してきた。GEが無錫工場を拡張したのは、2004年の操業開始以来2度目のことである。もともとこの工場は中国の顧客向けに世界最高レベルの水処理用特殊化学製品を生産する施設としてスタートしたが、2008年に面積1万平方メートルにわたる拡張を行い、企業や地元自治体向けに高度な水ろ過装置の生産を開始していた。

今回の拡張では、それに加えて、鉄鋼、エネルギー、石油化学、食品、飲料の各業界の顧客に対して幅広く、逆浸透(RO)、限外ろ過(UF)の装置を始めとして、業界トップのリサイクル、ろ過、処理技術を提供できる態勢を整えようとしている。また、企業や住民がよりクリーンな水を利用できるようにしようとしている地元の自治体の努力もサポートしようとしている。無錫工場を拡張することによって、製品ラインの数を増やし、工場内での膜材の製造能力を拡充することができたのである。たとえば、受注してから出荷するまでのリードタイムを米国のGE工場に製品を発注していた頃に比べて6週間から10週間も短縮することができたのも、今回の拡張のひとつの大きな成果としてあげられる。

無錫工場のチームは、上海にあるGE中国技術センターと協力して、中国特有のニーズに対応した製品作りを行っている。現在、無錫工場で製造されている製品には、ROおよびナノろ過(NF)の膜材、PROPAK、RePAK、SeaPRO-E、PRO APの各シリーズの水処理設備、汽水・かん水用RO(BWRO)コンテナ、超純水生産用モジュラープラント、アジアの飲料市場向けに設計されたBEV APAC ROシステム、逆電気透析(EDR)、Eセル電気脱イオン(EDI)、ZeeWeed UF/膜バイオリアクター(MBR)の装置などの製品が製造されている。