先進的なLEAPmbr技術により、厳しさを増す廃水処理・水再利用基準をクリアするための費用効果性のより高いソリューションを提供
定評ある高性能ZeeWeed中空糸膜技術を基本にした新しい膜バイオリアクター技術を採用
GEは2011年7月5日、次世代の膜バイオリアクター(MBR)廃水処理技術を公表した。この技術はLEAPmbrと呼ばれ、世界中の上下水道用、産業用、および家庭用の水処理および廃水処理の関係者がますます厳しい対応を迫られている水質と運転コストの問題に、解決の道をひらくものである。
4年におよぶ開発努力の結果として誕生したこの新しいLEAPmbrシステムは、MBR技術を使ったものとしてはこれまでのどのシステムよりもライフサイクル・コストが低く、従来技術による処理と比べてもコスト面で対抗することができる。こうしたコスト削減、それに操作の簡便性と、設置面積の小さいコンパクトな設計は、よく知られたGE ZeeWeed 500 MBR製品群――現在利用可能な強化中空糸膜技術を用いた濾過システムのうち、もっとも広く使われている製品群――の改良の結果としてもたらされた。GE LEAPmbrシステムのコスト削減および効率向上の効果を従来のGE MBR技術と比較すると、つぎのようになる。
- エネルギー・コストを30%以上削減
- 水処理能力が15%向上
- 膜通気装置と制御部分を50%縮小し、工事・設置・保守コストを下げるよりシンプルな設計を実現
- 設置面積を20%縮小し、工事・設置コストをさらに下げるとともに、洗浄用化学薬品の常時使用量を削減
LEAPmbrシステムの開発の原動力となったのは、GEのもつ高い製品改革・開発能力、それに、世界中のさまざまな現場での実績をもち、信頼性の高いMBR技術にかかわってきた25年以上にわたる経験である。
GE Power & WaterのWater & Process Technologies部門でエンジニアード・システムを担当するJeff Connelly部長は、LEAPmbrシステムについてこう述べている。「MBR技術は、今日使われている水処理技術のなかでも最も成長の速いもののひとつで、GEはこれを、廃水処理プラントの新設、増設、および改良のいずれに対してもより経済的なよりよい選択肢にするべく、LEAPmbrという新しいシステムを開発した。この開発にあたって、われわれは、エネルギー・コストと運転費用の削減が顧客の最も重要な関心事になることをよく理解していた。それは、われわれ自身が同じ問題に直面しているからだ。さらに、MBR技術が従来の廃水処理法に取って代わるケースがますます増えつつあるいま、MBRシステムの経験のないユーザーには操作の簡便性が重要なファクターとなる。また、スペースに余裕のない顧客には、設置面積の大小が採否を決める決定的な問題となる。われわれのLEAPmbrシステムは、こうした課題のすべてに応えるものだ」
MBR技術全体を見渡したとき、主要な成長市場のひとつが世界中の自治体の下水処理部門である。現在まで、この部門は、新しいMBR技術が既存の技術とコスト面で太刀打ちできるようになるのを待ち望んでいた。GEの新しいLEAPmbrシステムは、MBRのコストの問題への答であると同時に、厳しさを増す水質の要求条件を満たすための21世紀のソリューションを顧客に提供する。
MBRは、従来の活性汚泥システムで使われている最終沈殿池と砂濾過層の固体分離機能に置き換わる役割を担っている。GEのMBR技術は、浮遊増殖型生物学的リアクターを高性能で強靭なZeeWeed中空糸限外濾過(UF)膜と組み合わせたものである。
LEAPmbrシステムでは、ZeeWeed膜は膜タンクに浸され、処理すべき廃水――混合液と呼ばれる――に直接接触する。膜に接続したヘッダーから浸透ポンプを使って真空吸引し、それによって水がZeeWeed膜を透過し、固体、バクテリア、それにウイルスが濾し取られる。このようにして濾過された水、すなわち透過水は、必要に応じてさらに処理したり再利用したりすることもできるし、また、排出してもよい。
ZeeWeed膜は、廃水処理および水再利用の分野で20年以上にわたって実績を積んできた。現在、世界中でおよそ1000の処理プラントが、廃水処理や水再利用の厳しい基準をクリアするためにこの技術を利用している。
なお、GEはこのLEAPmbr技術を、2011年7月4日から8日までのシンガポール国際水週間の期間中に公表した。