ロシア政府、2020年までに102億ドルを投入する上下水道改善プログラムを承認

ロシアのウラジミール・プーチン首相は2011年7月28日、同国の天然資源環境省に対して2012年~2020年の長期間に亘って総額2918億ルーブル(102億ドル:約8000億円)を資金投入する予定の連邦プログラムの作成を仕上げ、その実施に向け調整を進めるよう求める政令「Order No.1316/r」に署名した。

これはロシア内閣が2020年までに同国の広大な水資源の持続可能な利用に関する計画案を承認したことに伴う措置である。

同政府の計画では、企業や家庭でのメーター設置の一層の普及を含め、水道供給及び下水処理設備の近代化・刷新へのインセンティブが提供される。さらに、企業に対しては、大量の水を使用する旧式の生産設備を廃棄して新設備に切り換えるよう助成してゆくインセンティブも設けられている。

同政令によれば、ロシアでは貯水池から消費者に至るまでの配管を通して年間に漏洩で失われる水の量は、7.5立方キロメータ(1.8立方マイル)に上ると推定されている。

また、同国の下水量の合計は52.1立方キロメータ/年であるが、そのうち処理されているのは僅か20立方キロメータ(約38%)に過ぎないという。

今回制定された新政令は、「Water Strategy 2020」を確立した2010年8月公布の「政令No.1235/r」に続くもので、その中で示されている計画には、持続的な水消費を奨励するための革新的な水料金支払制度の段階的な導入を求めている事項が含まれている。このロシアの水戦略は、2020年までに水汚染のレベルを現在のレベルから2~2.5倍に削減し、上述した水の漏洩ロスを50%削減させることを目的としている。

なお、この新政令は、2017年までに「クリーンウォータープログラム」を確立するとした2011年1月の規則にも続くものであり、実体としては地域開発省(Regional Development Ministry)によって所管されることになる。

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