アルメニアの給水サービスを向上させるためには10億ドル(約800億円)の投資が必要であると、2011年6月15日、アルメニアの上下水道管理会社(AWSC:Armenian Water and Sewerage Company)のPatrick Lorin社長が発表した。
同国では2004年から2011年までに1億ドル(約80億円)がシステムの近代化のために投入される。AWSCの100%出資者である政府は、今後5年間でさらに1億ドルのローンを組むと見込まれている。それによって、2017年までにアルメニア全体で水道水の供給時間を一日17時間確保することができるようになる。
現在、AWSCは同国フラズダンにて2011年末に完工する予定の大規模投資プロジェクトを実施している。また、同国では水の浄水処理の問題に関連機器を導入するプロジェクトが多数存在している。AWSCはエレバン、ギュムリ、ヴァナゾル、アルマヴィルを除いた37都市、300のコミュニティで事業を行っている。上記の4都市はすでに一日14時間の水供給能力(2004年には6時間だった)を備えている都市である。しかし、水道料金にはそれらの支出は反映されておらず、AWSCの財源は限定されているという。
2004年8月、フランスのソー社(Saur)は入札を通してAWSCを監督することとなった。同契約期間は2004~2008年から2008~2010年へと更新されていたが、2011年に現在の契約期限が終了する。それを受けLorin社長は、「AWSCは契約期間の2013年までの延長を交渉していく」と述べた。現在、1m3あたりの水道料金は、179.78ドラム(約39.35円)あり、Lorin社長によると、今後値上げする見通しはないという。