中国、海水淡水化事業への投資額は今後5年間で200億元に達する見込み

2011年6月21日~23日に開催された「2011青島国際海水淡水化および水再利用大会」で、国家発展改革委員会の責任者は、国家発展改革委員会が「海水淡水化産業の発展を速やかにすることについての意見」を策定している旨を表明した。「自主ブランドの海水淡水化設備のレベル向上」および「海水淡水化の材料国産化の推進」は今回の政策重点とされている。具体的な内容は下記の通りである。

  • 沿海地域における海水淡水化の工業利用を促進する。
  • 淡水化された海水は水道水源として都市供水管網に組み入れることを奨励し、新たな水価格形成メカニズムを確立させる。
  • 海水淡水化を対象とした税収特恵政策を策定する。
  • 海水淡水化の投資・融資を拡大し、海水淡水化プロジェクトの用地(海)を確保する。
  • 海水淡水化技術の自主創出を推進し、設備の国内製造業を発展させる。

さらに、国家発展改革委員会は11の部門と共同で海水淡水化の第12次5カ年計画および海水淡水化産業の専門計画の策定を急いでいる。中国の海水淡水化能力は2020年までに250~300万立方メートル/日に達し、毎年約9~11億立方メートルの海水を淡水化する。第12次5カ年計画の実施期間に、淡水化された海水は大切な補充水資源となっている。

第12次5カ年計画の実施期間に、中国は海水淡水化産業の大幅な発展を図る。今後5年間で投資額は200億元(約2475億円)に達する見込みである。海水淡水化プラントは70ヵ所建設される予定であり、既存の設備容量が6.0×105立方メートル/日であるのに対し、建設中の設備規模は1.0×106立方メートル/日を超える。現在中国は1万トンレベルの海水淡水化設備を有しており、これまでのところ、海水淡水化のコストは7元から4~5元までに引き下げられている。

海水淡水化装置の規模が拡大し技術も向上している。そうした中、設備の欠乏は国内の海水淡水化産業が発展する上での障害となる。逆浸透法の応用分野で逆浸透膜、高圧ポンプおよびエネルギー回収装置の多くは輸入されたものであり、低温多重効用法の分野では装置の規模が小さく、プロジェクトの建設経験も不足といった課題がある。

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