中国浙江省で、河川に化学物質が流入する事件があいついで起き、何十万のひとびとが利用している水道水が汚染されて、学校は休校になり、店頭からはボトル水が消える事態となった。
最初の事件は2011年6月4日に起きた交通事故で、21トンの石炭酸がXin’an川に流入した。この川は、浙江省の省都である杭州など、いくつかの市の水道の水源になっている。当局は、50万人以上に水を供給している5ヵ所の浄水場を一時閉鎖し、近くのダムの放流量を増やして石炭酸の希釈に努めた。石炭酸は、摂取すると内臓を痛めることがある。
これとは別に、Shaozi川においても、当局はベンゼンなど10種類の化学物質による汚染を発見した。この川も、杭州など浙江省の数地域の水源となっている。汚染源はある工業団地で、そこにあるいくつかの工場が化学物質の排出をやめるよう命じられた。
当局によると、汚染物質の濃度は健康をおびやかすほどではないというが、住民らは水道水の味がおかしいと異状を訴え、ふたつの自治体では学校が6月7日から3日間休校となった。
ベンゼンの摂取は、嘔吐、めまい、および痙攣の原因となることがある。
国営の新華社が報じたところによると、杭州市環境保護局はすでに同市の水道の24時間連続水質監視をはじめており、住民にじゅうぶんな情報を提供しつづけることを約束している。同局によれば、杭州市は6月9日までに汚染を浄化したいとしている。
中国は長年にわたって、急速な工業化にともなう深刻な汚染問題に悩まされてきた。