中国環境保護部など5省庁、「長江中下流流域水汚染防止計画」(2011-2015年)を公表

中国環境保護部、国家発展・改革委員会、財政部、住宅・城郷建設部、水利部は共同で、「長江中下流流域水汚染防止計画」(2011-2015年)」(以下「計画」)を2011年9月12日付けで公表した。

同「計画」の対象となる長江中下流流域は、長江流域の山峡ダムから長江の河口に至る広大な地域で、広西省、湖南省、河南省など10省66市、505県を含み、総面積はおよそ77.2万km2である。

計画目標

総合目標

産業構造改革の推進、汚染対策の深化、水汚染物排出総量の継続的な削減、水環境管理レベルの向上、重金属汚染対策における成果の獲得、飲料水水源地における指標要求の安定的な達成、水質の安定化、重点湖・ダムにおける富栄養化の抑制、河口及び近隣海域の富栄養化の低減、流域・川口及び海岸地域の生態安全において状態の向上を図る。

水質に係る目標

  • 審査を行う48箇所のうち、15箇所をII類、20箇所をIII類、7箇所を水質IV類、6箇所をV類へと水質類型の等級を引き上げる。
  • 海洋機能区、近岸海域機能区水質の指標達成率を40%以上にする。

重要業務

同「計画」では、(1)飲料水水源地保護の強化、(2)工業汚染コントロールの向上、(3)汚水処理施設の安定的な運営、(4)船舶による汚染の抑制、(5)水生生物資源保護の強化、(6)洞庭湖および鄱陽湖における生態保全システムの構築、(7)長江及び近隣海岸汚染対策及び生態建設の強化といった、7つの点で重要業務が挙げられている。

そのうち、工業汚染に関しては、工業汚染対策の推進、新規プロジェクトに係る標準の厳格な執行、違法行為に対する取締り実施を、汚水処理施設については、施設の規模や排出基準等の設定、プロジェクトの建設・運営、監督・管理の強化が挙げられている。

同「計画」では、計837項目のプロジェクトの実施が明示されている。その総投資額は459.81億元(約5542億円)に及び、343項目にまたがる工業汚染防止プロジェクトには総額で92.88億元(約1120億円)投資される。

タグ「」の記事:

2020年3月23日
中国水利部、「2020年水土保全業務要点」を発表――生産や建設における水土保全関連法規への違反行為を厳しく処罰し、「ブラックリスト」に加えるなど信用管理を実施
2019年12月27日
中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定
2019年12月3日
中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示
2019年12月2日
中国生態環境部、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」を発表――農村黒臭水対策モデル事業の展開も規定
2019年9月18日
中国、「京津冀工業節水行動計画」を発表――重点業種の工業用水の効率化を目指す