中国国務院、太湖流域管理条例を公布――太湖流域の水源保護と水汚染対策を強化

中国国務院は2011年9月7日、「太湖流域管理条例」(以下「条例」)を公布した。同「条例」は2011年11月1日からの実施を予定している。

同「条例」は江蘇省、浙江省、上海市(以下「二省一市」)の地域を含む太湖流域の水源保護と水汚染対策を強化し、太湖流域における生態環境を改善するため制定されたものである。太湖流域では、流域および行政区域を総合的に管理する体制を取る。

同「条例」は、総則、飲料水安全、水資源保全、水汚染防止、洪水・旱魃対策ならびに水域および湾岸線保護、保障措置(中国では、計画あるいは政策のスムーズな実施や任務達成のため、政府が取るべき措置や行動について明示する規定のことを言う)、監視と監督・管理、法的責任、附則の全9章70条から構成されている。以下に、その一部を記載する。

飲料水安全分野

  • 太湖流域飲料水水源保護区内では、汚水排出口、有毒有害物および危険物貯蔵庫、ゴミ置き場の設置を禁ずる。既に設置されている場合には、撤去または閉鎖しなければならない。
  • 市、県政府は飲料水水源、給水施設および住民飲料水の水質におけるモニタリングを実施すべきである。

水汚染対策

  • 太湖流域は重点水汚染物排出における総量規制制度を実施する。「二省一市」の環境主管部門は太湖流域環境総合対策方案、太湖流域水汚染防止規制など関連の要求に基づき、重点水汚染物質排出総量削減・コントロール計画・指標値を策定し、中央・「二省一市」政府の承認を経て公布すべきである。
  • 国務院環境主管部門は、太湖流域水汚染防止・産業構造調整などの事情に応じ、同流域における汚染物質排出に対して、特別に排出量の制限値を設けることが可能である。その際、「二省一市」政府と調整してから確定・公布すべきである。
  • 太湖流域では、中国の国家産業政策および水環境総合対策関連要求を満たさない製紙、皮革、アルコール、澱粉、冶金、捺染、鍍金など水汚染物質を排出する生産プロジェクトの新設を禁止し、関連排出標準を満たさない既存プロジェクトも法律に従って廃止させるべきである。
  • 太湖流域での都市部生活汚水・汚泥処理の関連施設の整備を促進する。新規処理施設については、脱窒素、脱リンの二次処理能力の保有、既存施設においては、一年以内に技術改造などを行いこの条件をクリアすべきだとしている。

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