欧州委員会、持続可能な水管理に向けたEWSスキームを設立

2011年11月24日、企業や農家のウォーターフットプリントを削減するためのスキームがブリュッセルで立ち上がった。コカ・コーラ、ドイツの総合化学メーカーであるBASF、欧州製紙連合会(CEPI)などが参画する。この欧州水パートナーシップ(EWS:European Water Partnership)スキームでは、工業、農業の両方においてEUで定められている基準を満たすような水資源管理を行う。ドイツの化学プラントおよびキプロスの農場において2年にわたる試験が終了し、EWSは実用的なツールであることが実証された。

スキーム立ち上げの式典においてヤネス・ポトチュニック環境担当委員は、「EWSはEUにおける水政策の実行に寄与するものである。将来の水資源を確保するために、産業界のすべての水の使用者がこの先駆的なプロセスへ参加することを歓迎する」と述べた。また、EWSのTom Vereijken代表は「規制の枠組みを厳守しながらも、大小さまざまなユーザーによる新規または現行の水管理プログラムへの申請に十分な柔軟性を持たせることで、EWSは革新的なものになる」と述べた。

EWSの立ち上げには150名にも上る関係者が参列した。その中には、世界、欧州、地方など様々なレベルでビジネスを展開する事業者、農家、科学者、政策立案者そしてNGOが含まれる。Woman for Water PartnershipのLesha Witmer氏は「EWSはその構想段階から多くのステークホルダーが関わるという良い面があった。市民の参画は経済的、社会的側面が反映されることを意味する。EWSは本当の意味での参加を実現するための大変重要な一歩である」と述べた。

EWSの協力者や支持者らは、民間による補完的な関与やEU規制の効果的な実行のみが河川の急域規模での水管理のための長期的解決策につながるという認識で合意した。EWSは事業者および農業従事者が持続的な水管理を評価、検証そして情報のやり取りを行う総合システムであり、水使用者のこれまでの取り組みやノウハウを統合する。EWSは流域という運用レベルで持続可能な水管理に向けたシステムを確立する。

欧州委員会は2012年に欧州の流域における水の需給に関する分析を行う。その結果は2012年11月に予定されている水保全のためのブループリントへ反映される。