イギリスの水ビジネス業界団体British Water、イスラエル産業技術開発センターと広範な提携で合意

イギリスの水ビジネス業界団体British Waterは、2011年12月21日、イスラエルの政府機関であるイスラエル産業技術開発センター(MATIMOP)と、両者が水ビジネスに関して広範に提携していくことを謳った覚書を交わした。この画期的ともいうべき覚書により、両国の企業と研究機関が国内入札、国際入札、および研究プロジェクトで密接に協力するための枠組が整ったことになり、これが両国の経済発展に寄与するさまざまなプロジェクトに結びつくものと期待されている。

今回の提携合意はまた、新たな製品やプロセスを開発してそれらを世界市場で商品化していくための両者の合同プロジェクトの発展にも役立つものと見られている。いまや、イスラエルで開発された技術の多くが国際市場に進出しはじめているからである。

世界の水不足に対処するための革新的技術を結集:

British Waterによれば、この提携は、急速に全世界的な懸念事項になりつつある水不足の問題に対処するための技術開発に向けたイスラエルの革新的アプローチがもたらしたものでもある。国連の推計によると、2030年には世界の人口のほぼ半分が「水ストレスの高い」地域に住むことになるという。

水に関してイギリスとイスラエルの両国が共通の関心をもっている分野としては、水モニタリングと不具合箇所の特定にますます情報通信技術(ICT)を使うようになってきている水管理や、淡水化、水再利用のほか、浄水、水再生利用、および淡水化における再生可能エネルギー源の利用などがある。

今回の提携合意について、British WaterのIan Bernardテクニカル・マネージャーはこう述べている。「MATIMOPとの合意は、最高の技術ソリューションのいくつかをイギリスとイスラエルの両国で実施するための道を双方にひらくものであり、また、両国の世界トップ・クラスの専門家らがヨーロッパおよび国際的な研究・開発・技術プロジェクトに協力して取り組むことを可能にするものである」

この提携合意がなされる前、イギリスでは政府がWater for Lifeと題する水白書を公表している。この白書では、イギリスの水ビジネスを改革し、環境面および水ストレスにまつわる要求を満たすための計画が示されている。

いっぽう、MATIMOPのIsrael Shamay代表はこう述べている。「われわれは、British Waterと、かつて外国のどの業界組織と協力してきたよりも密接な関係がもてることをよろこばしく思う。イギリスの水ビジネス部門は、その能力においても、ソリューションにおいても、またサービスにおいても、世界をリードするものとして国際的に尊敬をあつめており、この部門におけるイスラエルの革新的技術の研究開発の成果を商業化し、市場に出していく上で、まさに完璧なパートナーといえる」

業界の専門家らによると、世界の水ビジネスは向こう5年間で急速に成長すると見られており、2010年に900億ドル(約6兆9000億円)だった水インフラへの資本支出は、2016年には1310億ドル(約10兆円)に急増すると予測されている。

また、イスラエル産業貿易労働省のOded Distel投資推進センター長は次のように述べている。「今回の提携合意は、水部門にさらにスマートなソリューションをという全体的なコンセプトに沿ったものだ。われわれは、イギリスにおける水管理技術のグレードアップを支援していきたい。イスラエルでは、他の部門から技術を導入することによってこれをすでに達成することができた」

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