ドイツの特殊化学品メーカーLanxess(本社:ケルン)の液体高純化テクノロジーズ(LPT)ビジネス・ユニットは、フランスの限外濾過(UF)膜メーカーPolymem SA(本社:トゥールーズ近郊のカスタネ・トロザン)と販売面で協力する契約を結んだ。LPTは水処理用の製品とソリューションの大手サプライヤーであり、またPolymemは、浄水用と廃水処理用の高品質UF膜[1]とそのシステムの世界的大手メーカーである。この契約にもとづき、PolymemはLanxessのLewabrane逆浸透(RO)膜エレメント[2]のフランスにおける販売パートナーとなる。また、Lanxessは2018年7月1日以降、PolymemのNeophil中空糸膜を使ったGigamem UF膜モジュール製品の販売を世界規模で展開する。これにより、Lanxessの水処理製品群にUF膜製品が加わることになる。
LanxessのLPTビジネス・ユニットを率いるJean-Marc Vesselleはこう述べている。「われわれは、水処理用製品としてすでにもっているイオン交換樹脂と逆浸透膜エレメントを理想的に補完する製品ポートフォリオを手にした。世界中で新設される逆浸透設備のおよそ3分の1は、その前処理にUFを使っており、しかも、この傾向はますます強まっている。この販売協力には、すばらしいシナジー効果がある」Lanxessは同社のLewaPlus水処理システム設計ソフトウェアに、新たなモジュールとしてUFを早急に組み込むことにしている。
逆浸透の前処理として理想的なUF
UFは、水を1回の処理で清澄かつ無菌にする。これは浄水における従来の濾過に代わる方法で、処理対象の原水の水質にかかわりなく、また、薬品を加える必要もなしに、処理の効果を大幅に向上させることができる。UFはまた、微小な粒子ばかりでなく、微生物、ウイルス、発熱物質、一部の溶存有機物といった病原体も除去することができるため、多くのケースで従来の処理技術に代わるものとして使われている。この濾過技術を使うと、加圧濾過の場合は全懸濁物質(TSS)の量が1リットルあたり300ミリグラムまでの水を、また吸引濾過(膜バイオリアクター)の場合はTSSの量が1リットルあたり15グラムまでの水を処理することができる。
PolymemのJean-Michel Espenan CEOは次の点を強調している。「われわれのGigamem UFモジュールは高い処理能力を特徴としている。たとえばUF240は市場で最大のモジュールで、しかも他に類を見ないほどコンパクトだ。加圧濾過、高流量、メンテナンスのしやすさ、それにオンライン・テストという点で、これは濾過モジュールのあらゆる利点を備えている。Gigamen UFモジュールには、われわれの親水性Polysulfone膜や、耐久性と親水性を備えた新製品のPVDF Neophil膜を組み込むことができる。どちらも飲料水配管部品の規格NSF 61を満たしている」
LPTビジネス・ユニットのフランスにおける新たなパートナー
1997年に設立されたPolymemは、中空糸ベースの濾過膜と膜モジュールの開発と生産を専門としている。同社の濾過膜および膜モジュールは、自治体、工業、商業、およびその他の民間部門で浄水、廃水処理、および液体処理に使われている。Polymemとの販売協力について、LanxessのLPTビジネス・ユニットのVesselleはこう述べている。「膜技術の分野で実績があり、その利用を世界に広めようとしているPolymemは、われわれがフランスでLewabrane逆浸透膜エレメントの販売を推進する上で理想的なパートナーだ」
[1] Polymem社のUF膜の仕様は以下よりダウンロード可能。
https://www.polymem.fr/wp-content/uploads/2015/03/Polymems-Ultrafiltration-detailed-perfomances-and-features.pdf
[2] Lanxess社のRO膜の仕様は以下よりダウンロード可能。
http://lpt.lanxess.com/uploads/tx_lxsmatrix/160720_lxs_bro_lewabrane_watertreatment_en_a4_web.pdf