太陽エネルギー利用淡水化システムのパイロット実証が、ニューメキシコ州のアラモゴード(Alamogordo)にある米国水再生利用局(内務省)の「汽水性地下水国家淡水化研究施設(Brackish Groundwater National Desalination Research Facility)」において2012年春に展開される。
これは、北東アリゾナ州にある連邦政府が認知しているインディアン部族であるナバホ国(Navajo Nation)内の農村や遠隔の水ユーザーのための代替水源を開発するための水再生利用局の太陽光を利用する淡水化に関する研究の一環である。2011年12月13、14日に開催された「第56回年次ニューメキシコ州水会議(Annual New Mexico Water Conference)」の参加者によると、再生可能エネルギー開発は、米国のいたるところで実施されている淡水化プロジェクトの改善や拡大で中心的な役割を果たすことになるとのことである。
ニューメキシコ州立大学の「ニューメキシコ州水資源研究所(New Mexico Water Resources Research Institute)」と水再生利用局が共同開催した会議には、淡水化プロジェクトを促進する方法を検討するために世界中から淡水化の専門家が集まった。欧州、中東、アフリカ、オーストラリアを代表する専門家が、成功した一部のプロジェクトについて発表し、なぜ欧州とアジアが現在この技術の世界的なリーダーと認められているかを知らしめた。
世界銀行の中東・北アフリカ地域担当のBekele Debele博士は、「淡水化は、担当地域の水不足の新たな解決法と見られている。1950年から2000年の間に、1人当たりの回復できる水資源は75 %を超えて減少した。淡水化の世界的なリーダーであるサウジアラビアは、2019年までに海水淡水化施設のすべてを再生可能エネルギーに転換することを目指している」と述べた。
専門家の発表に続いて、少人数の人たちが集まって、協力の機会の可能性とともに研究プロジェクトを生み出した。最後の全体会議で、提案されたプロジェクトが発表されて、さらに検討された。水再生利用局のKevin Price高度水処理研究コーディネーターは、「われわれは、このような結果を広く普及させたいし、これらはほかの人々が加わりたいと思うほど素晴らしいアイディアだということを皆に知らせたい」と述べた。
なお、この会議では、汽水性地下水国家淡水化研究施設の見学も行われた。