メキシコ、プエブラ州がデグレモンの水処理コンセッション契約を早期解除

2012年2月22日、メキシコのプエブラ州でSuez Environment傘下のデグレモン(Degrémont)が運営管理する浄水施設の契約が、州の水事業者であるSoapapによって早期解除された。デグレモンは20年契約の下、子会社であるTratamiento de Agua de Puebla(Tapsa)を通して同州のプエブラ、Cuautlancingo、San Angresにある4つの浄水施設の運営を1999年より行っていた。2004年にはSoapapが施設を買い取り、Tapsaはそれらの運営を受け持っていた。メキシコにおいて、水処理事業を委託された外国企業の契約が早期解除されたケースは今回が初となる。

Tapsaは法的手段を検討

Soapapによると、Tapsaはメキシコの水処理基準(NOM-001, 2004)を満たしておらず、資金面では深刻な問題を抱えていたという。いっぽう、Tapasaは浄水施設を最新化するための技術および資金に関する提案書を2008年より提示していたが、Soapapからの返答は得られなかったという。また、コンセッション契約で規定された水処理基準を順守しており、それらを裏付ける報告書が認証機関より発行されているという。

メキシコの水当局であるCONAGUAは、プエブラ州政府に対して2012年までに、デグレモンに基準を順守させるか、他の事業者に運営を移行するかを判断する権限を与えていた。Tapsaは2012年2月28日、再契約を結ぶために、Soapapを起訴するかどうかの検討を行っていることを明らかにしている。

契約解除はビジネスチャンス

Tapsaの契約が期限前に解除された事実は、水処理事業をグローバルに展開する同業者にとって、今後の民営化ビジネスを阻む障壁ではなく、むしろチャンスと捉えられている。CONAGUAは近年、メキシコの水質を向上させるために水処理事業に莫大な投資を行っており、スペインのAbengoa、Acciona、そしてフランスのVeoliaやその他のグローバル企業による複数のコンセッション契約が控えているという。

メキシコシティで水道事業を運営しているSistemas de Aguaは、上水事業を拡大するため、110億規模となる計画の承認を政府より取得することを模索している。メキシコの水処理会社であるFypasaのGuillermo Hernandez氏は、「産業界はSoapapが再入札を行うか、そのまま運営を手掛けるかどうかに注目している。契約の早期解除については誰も憂慮していなく、むしろビジネスチャンスとして認識している。契約で定められた条件を満たせなかったとしたら、その責任を負うのはごく自然なことだ。Soapapが取った処置は、メキシコ政府が市民の健康を脅かすような違法行為に対して、決して目をつぶらない強硬な姿勢を示している」という見解を示している。

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