メキシコ、飲料水の供給量を増やすため6カ所の海水淡水化施設の建設を検討

メキシコ政府は、太平洋岸沿いにこの地域で増加している飲料水の需要を満たすために6カ所の海水淡水化施設の建設を検討していると給水局Conaguaの当局者が2012年3月30日に述べた。

Conaguaの飲料水担当のManuel Heredia Duranhe副局長によれば、同政府はまた、2015年までにCabo San Lucas(サンロマン岬)淡水化施設の淡水生産量を2倍にして4億リットル(40万m3)にする計画を立てている。

海水淡水化施設の建設プロジェクトが検討されている6カ所は、(1) Tijuana(ティフアナ)(淡水生産量10億リットル(100万m3))、(2) Sonora(ソノラ)州のGuaymas(グアイマス)(5億リットル(50万m3))、(3) Baja California(バハ・カリフォルニヤ)にあるEnsenada(エンセナダ)(2億5000万リットル(25万m3))、そしてBaja California Southにある(4) La Paz(ラパス)(2億リットル(20万m3))、(5) Puerto Penasco(プエルトペニャスコ)(2億リットル)および(6) Loreto(ロレト)(1億2000万リットル(12万m3))である。

このプロジェクトに関するHeredia副局長の話は、次のとおり。

  • 政府は、それぞれのプロジェクトに必要な資金の約30 %を提供するつもりである。残りの資金については、民間企業が提供することを期待している。
  • プロジェクトが2018年までに運転開始していることを期待して、利権契約は2015年までに与えられそうである。
  • メキシコで活動している大手の国際的な淡水化企業(Degrémont、Abengoa、Odis Asversa, Acqualia、Inima)が、プロジェクトに応札すると思われる。
  • メキシコは、飲料水の供給量を増やそうと努めている。この国の飲料水の約60 %だけが飲用に適したものであるという推定がある。
  • バハ・カリフォルニヤと太平洋岸は、降雨量が非常に少なく、また帯水層は限度まで使い切っているというメキシコのなかで最も乾燥している地域の1つである。こういうわけで政府は飲料水をこの地域の都市にもたらす最良の選択肢として淡水化施設を支持している。
  • 将来には、淡水化施設は、Guerrero(ゲレロ)州、Acapulco(アカプルコ)、メキシコで2番目に大きい都市Monterrey(モンテレイ)にさえ建設される可能性がある。
  • メキシコでは飲料水の供給が大きな難問となっているので、淡水化施設は、ほかの水処理施設より建設にもっと費用がかかるが、政府は、コスト効率が上がるにつれていっそう多くの施設の建設を検討する可能性がある。
  • メキシコの淡水化に関する専門的知識は、ここ数年改善しているので、淡水化施設の実現可能性が増え、プロジェクトのコストが下がっている。
  • 政府は現在、施設の運営担当者に淡水化された水1 m3当たり1ドル(約81円)というほかに負けない料金を支払っている。
  • はじめに述べたCabo San Lucas施設の拡張は、2015年に完了する予定のプロジェクトであるが、その入札は、今夏応じられると思われる。スペインのインフラ・グループOHLに属する1社となっているInimaが、すでにこの施設を運営しているので、有利である。
  • 2011年8月、Inimaは、Ensenadaにある2億5000万リットルの淡水化施設の建設・運営するための20年間の利権契約をもらっている。

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