2012年10月23-24日に開かれたBloomberg New Energy Finance Water Leadership ForumでのVeolia Water AmericasのLaurent Auguste CEO へのインタビューによると、現在同社はロサンゼルスとサンディエゴ――水事業をより効率的かつ費用対効果が高く運営可能である民間企業との事業契約に関心を示している――での水道事業アドバイザリー・サービスの展開を狙っているという。
2012年4月には、900万人に上下水道サービスを提供しているニューヨーク市に対して運営コストの削減をアドバイスするという、4年間で3600万ドル(約29億5200万円)の契約を締結した。Auguste氏は、このような形での民間企業による事業支援は、アメリカの地方自治体にとっては新たなトレンドであり、また、従来とは異なる市場展開方法を模索することは同社にとっても重要であると述べている。900億ドル(約7兆2000億円)に達するアメリカの公共水市場への民間投資は、「民間企業による水道サービスは好ましくない」という認識があるために、いまだ発展途上であるという。
Veoliaのビジネスは、水道サービス管理に関する専門知識を提供し、国際的な調達網の活用をすることでのコスト削減や運営改善を支援するものである。従来の官民連携(PPP)とは異なり、Veoliaが行うことは公共事業の運営者や作業員への支援のみであり、水道サービスの運営そのものを引き受けるわけではない。ニューヨーク市との契約では、年間予算12億ドル(約984億円)のうち、その10%のコスト削減の可能性があるとみている。