アメリカで、2012年11月の大統領選挙を前に、共和、民主の両党があいついで政策要綱を発表したが、そのなかに、老朽化した上下水道インフラのための投資の必要性を両党とも初めて盛り込んであり、これが関係者の注目を集めている。水環境問題を専門とする非営利組織、Water Environment Federation(WEF)のJeff Eger会長によれば、両党の政策要綱にこのような内容が記載されたのは、WEFのつよいはたらきかけの成果だという。
共和党の政策要綱の記載内容:
2012年8月28日にネット上で公表された共和党の政策要綱は、こう述べている。「ほとんどのアメリカ国民が当然と考えていること――わが国の水道水が安全でいつでも手にはいること――が、いまや危機に瀕している」
さらにこの政策要綱は、「崩壊しかかった上水道システム、老朽化したダム、それに壊滅的状態の下水道インフラ」に言及し、そうした分野への投資を増やすためには、連邦政府、州政府、それに民間のパートナーシップが必要だとしている。
民主党の政策要綱の記載内容:
いっぽう、2012年9月4日に採択された民主党の政策要綱は、建設労働者を職場にもどす手段として、道路、橋梁、学校と並んで、水道インフラへの投資に言及している。この政策要綱はまた、きわめて重要な資源としての清浄な水の重要性と必要性に数箇所で言及しているほか、農村部における上下水道システムを強化する方策を支援していくとしている。
両党の政策要綱について、WEFのTim Williams法政担当理事とEger会長は、水インフラへのこうした言及が今後、上下院議員候補や大統領候補のあいだで「全国的な議論の高まりにつながる」ことを期待すると語っている。
共和党の政策要綱のURL:
http://www.scribd.com/doc/104221532/2012-Gop-Platform
民主党の政策要綱のURL:
http://assets.dstatic.org/dnc-platform/2012-National-Platform.pdf