デリーの上水道官民協力モデルにNGOから疑問の声

デリー上下水道公社(DJB)は上水道の一部を官民協力(PPP)によって運営する計画を進めている。だが、民間企業の参入により「サービスが強化され、無収水が減る」という同局の説明に納得しないNGOのWater Privatisation-Commercialisation Resistance Committee(水道民営化・商業化反対委員会)が、これに異を唱え、公開討論会などを要求している。
DJBはすでに、デリーの3つの地区――マルヴィヤ・ナガー、ヴァサント・ヴィハール、およびナングロイ――で、配水と集金の効率化をめざしたPPPプログラムの開始を決めている。
これに対して反対委員会は、顧問を務めるRajinder Sachar元判事の名前でSheila Dikshitデリー連邦直轄領知事兼DJB総裁に書簡を送り、このPPP事業の開始決定や業務委託にまつわるさまざまな問題点を指摘した。

反対委員会の主張と疑問

書簡のなかで反対委員会は、民間企業のほうが水道利用者によいサービスを提供するというDJBの説明を批判し、なぜDJBは自分のところの職員がきちんと仕事をすると信じることができないのかと、疑問を呈している。また、PPPの契約条件にも疑問があるとし、民間企業との契約内容の詳細がDJBのウェブサイトのどこにもなく、業務委託に関する重要事項も公開されていないことを指摘している。
Dikshit知事宛の書簡はさらにこう述べている。「DJBの水道料金は最近になって、浄水と利用者への配水のコストとして1キロリットルあたり28ルピー(約47円)を計上するようになった。だが、2012年7月まではこれがなかった。われわれはこのタイミングに驚いている。なぜDBJは突如として、こんな計算を示すことが必要だと思うようになったのか? われわれはその詳細と、この計算の正当性を証明する根拠を知りたい。それによって、この数字はPPP契約のなかで運営経費を水増ししようという以前からのたくらみを隠蔽するためのものではないかというわれわれの懸念が、払拭されることを願っている」
反対委員会はまた、今後の職員の扱いに関するDJBの計画にも疑問を呈し、現在、DJBの年間の仕事のうちどのくらいの割合が民間に委託されているのかについて回答を求めている。さらに、PPP契約によって業務を委託される民間企業が請求する運営経費についての詳細や、利用者からの断水の苦情があったときの対応にかかる時間、民間企業が24時間連続の水供給をどのように保証し、サービスに遅延が生じた場合はどのような罰をうけるのかなどについて詳細な情報を求めている。同委員会はこのほか、受け持ち地区に毎日24時間の水供給をつづける約束を民間企業が確実に守ることの保証も求めている。
無収水については、その削減を隠れ蓑にして民営化を押し通そうとしているとして反対委員会はDJBを非難し、次のように述べている。「DJBはいわゆる無収水の削減に言及している。しかし、ナングロイ地区のプロジェクトでDJBが結んだ契約では、最初の4年間は民間企業側が無収水の削減義務を負わないことになっている。つまり、無収水は民営化を正当化するための口実にすぎないのである」

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