Veolia、2015年以降のレンヌにおける飲料水供給事業を失注

Veoliaは2015年1月1日以降、フランス・ブルターニュ地方レンヌ(Rennes)に飲料水を供給する公共事業受託者ではなくなる。レンヌでは130年前から飲料水の供給は民間セクターに委託されてきたが、市議会はこの歴史に終止符を打ち、7万の使用契約者に飲料水を直接供給する地方公共会社(SPL)を新たに設立することを決定した。

現在、Veolia Environnement社から飲料水製造プラントの管理を請け負っているレンヌ盆地飲用水製造共同組合(SMPBR)は、SPLの設立に賛同する声明を2013年2月7日に出す予定であり*、SMPBRの構成メンバーは将来的にはSPLの株主になる意向を示唆している。

レンヌで水管理を担当するマルク・エルヴェ(Marc Hervé)議員は、民間企業よりも市の方が飲料水の量と質をより適切に管理でき、料金を安定させることができるとしている。レンヌの水道料金はフランス西部の都市の中では比較的低いが、それでも1993年からの20年間で50%上昇している。

市議会議員選挙が1年後に控えていることから、このたびの市の決定を政治的な選択と見る向きもある。社会党のダニエル・ドゥラヴォ(Daniel Delaveau)市長が率いる主流派と結んだ環境保護政党は、水事業の公共性をさらに高めることを求めている。一方、反主流の保守系諸派連合のブルーノ・シャヴァナ(Bruno Chavanat)代表は「Veoliaのようなグループの特に研究・開発能力を考慮すれば、公共サービス管理運営委託(DSP)を継続することが望ましい」と主張している。

レンヌ市議会の今般の決定は、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方オーバーニュ(Aubagne)が行った同様の決定に呼応するものである。オーバーニュは、2013年末をもってDSPの契約期限が満了となることから、それを機に150年続いた飲料水供給事業の民間委託を止めてSPLを設立する方針である。SPLは2014年以降、Veolia Environnement社の子会社であるSociété des Eaux de Marseilleから飲料水供給事業を引き継ぐことになる。

なお、SPLは株式会社と同様に増資が認められており、周辺の市町村を出資者とすることもできる。

* その後、SMPBRの代表は予告通り2月13日に、SPLの設立を支持することを全会一致で決定したとの声明を発表している。

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