インドのマハーラーシュトラ州水資源規制局(MWRRA:Maharashtra Water Resources Regulatory Authority)は、新たな水資源割り当て政策を発表した。これは、民間部門および産業部門に対する最大水割当量を取り決めるものである。2012年12月中旬に報じられたところによると、本政策には、干ばつの際に水割当削減量を算出する方法や、地方自治体がその水使用量の一部についてリサイクルを怠った際の責任追及手段などが含まれているという。また、同政策によると、灌漑以外の用途に対する水使用量が20%以内であることが理想的であるが、水需要が増加し、また飲料水が優先的に供給されなければならない状況において、灌漑に対する水割当量を削減することが求められているという。
水割当政策の重要な論点は、「水の効率的な使用」および「水質の改善」である。前者に関して、その目的は、灌漑部門以外の水使用者に対して、水のリサイクルやリユース、地下水等の新たな水資源の開発によってその増大する水需要を管理するよう求めることである。また後者に関して、現状、生活排水や工業排水がまったく処理されていないか、あるいは処理されていてもその水質は排水基準を満たしていない状況にあるので、排水処理の状況を改善して河川等の水質向上を目指すことは取り組むべき課題である。
そのため、MWRRAは新たな政策によって、様々な地方自治体に対して最大水消費許容量を取り決めた。水道事業者には消費者のデータを収集することが求められ、また地方自治体には人口や産業部門が全体に占める水使用比率、使途不明の水使用量、水供給量に占める地下水の比率、雨水収集システムの普及状況、下水処理システムやその他の水監査によって得られたデータなどを提出することが求められる。さらに、地方自治体は、排水のリサイクル率を3年後に20%以上向上させることが求められる。産業部門は、水消費やリサイクルの有無、地下水利用の有無等に関する情報の提供が求められる。
本政策に従う目標を達成できない自治体は、次の契約時に水割当量を減らされたり、あるいは水価格が引き上げられたりといったペナルティが課される。さらに、新たな政策に基づく合意が実施されれば、水源地の貯水量に応じて水供給量が削減されることになり、その削減量は、(1)削減なし(貯水量75~100%)、(2)10%カット(同50~75%)、(3)20%カット(同33~50%)(4)州政府により決定(33%未満)と定められている。