Veolia Waterが、モロッコとポルトガルのそれぞれの水道事業を売却した。この2つの売却はどちらも、地域的な事業範囲の見直しおよび債務圧縮を目的としたものである。以下に、それぞれの売却の概要をまとめる。
モロッコでの上下水道事業および電力事業の売却
2013年3月8日、Veolia Waterは、モロッコでの上下水道事業および電力事業(委託先であるRedal社とActis社により運営)を英国の投資会社Actisに売却することを発表した。売却額は3億7000万ユーロ(約484億7000万円)である。この売却により、Veoliaにとっては8800万ユーロ(約115億2800万円)の負債削減に繋がると見込まれている。売却後については、Veoliaは移行期間として3年間はActisに対して技術面や管理体制のサポートを行っていく。この事業売却について、現在、VeoliaとActisはモロッコ当局からの承認待ちの状態である。
ポルトガルでの上下水道事業の売却
2013年3月28日、Veolia Waterは、ポルトガルで上下水道事業を行っている同社の子会社であるCGEP(Compagnie Générale des Eaux du Portugal)を、中国の水処理会社である北控水務集団(Beijing Enterprises Water Group Ltd.)に売却することを発表した。売却額は9500万ユーロ(約124億4500万円)である。CGEPは、主にポルトガル北部にて上下水道に関する4つのコンセッション契約を締結しており、約27万人がこのサービスを受けている。CGEPの2012年の売上は4200万ユーロ(約55億円)、純利益は100万ユーロ(約1億3000万円)、従業員は423人である。
今回Veoliaから水道事業を買収した北控水務集団は、現在、水事業での海外展開を強めており、この案件もその戦略の1つであると考えられる。