タイのPlodrasop Suraswadi副首相は、2013年2月8日、国内全体の洪水や水資源管理に関する政策およびプロジェクトを所管する「水資源省(Water Ministry)」を2013年10月までに設立すると発表した。国内で21番目の国家レベルの行政機関となる、この水資源省の設立に関するドラフトはすでに完成しており、また、複数の代替案についても専門家らによって作成が進められている。それらすべてのドラフトが議論され、統合された後に、内閣に提出され初期承認が行われるという。タイの水資源・洪水管理委員会(WFMC:Water and Flood Management Commission)の議長も兼任しているPlodrasop副首相によると、洪水、水資源、灌漑、自然災害、初期災害警報システムなどを担当している既存の機関は、新たに設立される水資源省の管轄下に置かれることになるという。しかし、その権限や職責などは今と変わらないとのことである。
水資源省の予算については、統合される各部局にすでに多くの予算が支給されており、また、国内の水管理マスタープランに対しても350億バーツ(約1兆1200億円)が割り当てられており、これらが水資源省に譲渡されるため、全体として巨大な予算を執行できるだろうとPlodrasop副首相は説明している。
縦割り行政の問題を解決するための新体制
複数の異なる当局が権限を有する灌漑分野の統合について尋ねられると、Plodrasop副首相は次のように述べた。「それは国内の重要な課題である。なぜなら、過去の水資源管理や洪水の問題は、そういった政治的な権力闘争が原因となっているからだ」
国家水資源・洪水管理政策局(ONWFMP:Office of the National Water and Flood Management Policy)のSuphoj Towichukchaikul局長によると、水資源省の構成はすでに考案されており、内閣にすでに提出されているという。また、関連当局や水資源省の下につくられる新たな部局のあいだの会合は、うまく進んでいるとのことである。これらの、水資源省の中に設立される部局には、地方レベルおよび国家レベルの両方にわたって気象や上水道などを管理するような部局も含まれるという。
水資源省の設立に向けては今後いくつかの法律――まだ議会では精査されていないが――を制定することが必要である。ONWFMPは2013年9月には解散する予定であるため、Plodrasop副首相は10月までには水資源省を設立させることを目指している。