米国のエンジニアリング会社MWHは、2013年5月26日、オーストラリアでのインフラに対する市民の意識についての報告書Your life, your home, your city – the future of Australia’s liveable citiesを公表した。本報告書は、オーストラリアの18歳以上の市民、合計1027人を対象としたアンケート調査の結果をもとにしたものである。水インフラに関しては、下水の再生水利用などが報告されている。これによると、アンケート調査の対象となったオーストラリアの市民のうち、下水を浄化して作られた水に対して飲料用として使用しても構わないと答えたのは、全体回答者のわずかに19%しかいなかった。また、浄化する対象を道路などに流れる雨水にした場合は、下水に比べるとわずかに高く31%であった。全体の約半数の市民は、淡水化プラントからの水を飲むことを希望したという。
報告書は以下のURLより閲覧可能である。
http://www.mwhglobal.com/files/3313/6961/7601/MWH_Liveable_Cities_final_Website.pdf
干ばつへの対応策の検討が必要
近年オーストラリアでは干ばつによる水不足が大きな問題となっている。メルボルン市議会・環境委員会のArron Wood委員長は、長期化かつ高頻度化した干ばつへの対応策として、下水の飲料水利用の可能性を検討すべきであると主張している。しかし、現段階ではまだ議会での議題には挙げられていない。今後干ばつによる水不足がさらに悪化していくことは予想されるため、飲料水源となりうる全ての水源を検討しなければならない状況ではあるが、市民は下水を飲料水として利用することに対して不安を抱いているのが現状である。
MWHのPeter Fagan氏によると、田舎町のほうに暮らす市民は間接的にその種の水をすでに飲んでいるという。というのも、彼らの飲料水の供給源は河川であるが、その河川には下水が注がれているからである。「心情的には考えたくないが、現実的にそれは水資源の循環の一部なのである」このようにFagan氏は説明している。
その他の対策として、メルボルン市議会は、雨水の収集や、地下に水が溜まるように道路の舗装を多孔質の素材にするといった水資源施策に取り組んでいる。