中国国務院は2013年9月6日付で「都市インフラ建設強化に関する意見」を発表した(国発[2013]36号)。この「意見」では、“処理場とパイプ網の両方をバランス良く建設する。汚泥処理と汚水処理の両方とも重視し、水を再生利用する”といった方針が示されており、“節水型の都市の建設を加速し、水資源の乏しく水質に恵まれない地域では、汚水の再生利用施設建設を推進しなければならない”とした。同「意見」では、2015年までに、都市の汚水処理施設での再生水利用率20%以上達成、都市の水質環境改善を図るなどといった目標が示されている。
「意見」ではまた、旧来の施設については優先的に改善していくとし、都市の汚水処理場で処理された水については国の新しい排出要件あるいは地表水IVの基準に適合するよう要求している。そのほか「意見」では“2015年までに、36カ所の重点都市の市街地で、汚水の「全量収集・全量処理」を実現し、全国のすべての市で汚水の集中処理を実現し、都市の汚水処理率を85%まで引き上げ、汚水パイプ網を7.3万km敷設する。「無害化、資源化」の考え方に立脚して、汚泥処理処分施設の建設を強化し、都市の汚泥無害化処分率を70%前後に引き上げる”といった方針が示されている。
関連報道は、業界の関係者が建設に先立ち再生水の使用方法の選択に対しふさわしい技術と設備を選択し、同時に、制度と価格の面でも一層の奨励メカニズムが必要となるとしている。そのほか関連報道は専門家の話として、中国では現在、都市の汚水処理場の大多数は汚泥の処理処分設備を備えておらず、無害化処理が欠落している場合が多いとの指摘を伝えている。なお関連報道によると国務院弁公庁が2012年4月に発行した「第12次5カ年計画全国都市汚水処分及び再生利用施設建設計画の通知」では、複数の技術を利用して汚泥を処理処分し、汚泥の中のエネルギーと資源をできるだけ回収し、同時に、再処理した汚泥を国の標準に厳格に照らして土壌改良、公園緑化などに利用するといった内容が示されているという。
【関連URL】
「都市インフラ建設強化に関する意見」は下記URLにて閲覧可能である(中国語)。
http://www.gov.cn/zwgk/2013-09/16/content_2489070.htm