仏Suez Environment社は2014年2月19日、イタリアのACEA社の840万株(総資本の3.95%相当)を買い増ししたことを公表した。この840万株はGDF Suezグループが放出したもので、譲渡価額は未公表である。今般の買収の結果、ACEA社におけるSuez Environment社の持株比率は12.5%になった。
ACEA社は、ローマを含むイタリア中部の大部分の水道・電力事業を担っており、サービスの受益者は900万人に上る。総売上高は約36億ユーロ(約5040億円)であり、そのうち17億ユーロ(約2380億円)は水関連事業によるものである。なお、同社の株式時価総額は約17億ユーロ(約2380億円)である。
Suez Environment社のジャン=ルイ・ショサード最高経営責任者(CEO)は、今般の買い増しについて「イタリアの大規模な“公益事業体”であるACEA社と当社の戦略的・実際的な連携を強化するものである」とコメントし、友好的かつ互恵的な買収であることを強調している。両社は既にイタリア北部トスカーナ州における合弁事業に共同出資しており、フィレンツェ、ピサ、アレッツォ、シエナ及びグロッセート(いずれもトスカーナ州の都市)の250万の住民を対象に給水・浄水事業を展開している。この合弁事業の総売上高は約4億ユーロ(約560億円)である。
Suez Environment社はさらに、子会社のDegrémontを介して、ミラノ、ローマ、ヴェネツィア等で半世紀にわたり水関連事業を行ってきた実績があり、いくつかの大規模な水処理施設を運営している。
Suez Environment社は、フランス、スペインに次いでイタリアを欧州における水関連事業の第3の拠点にすることを目指すとしている。