2014年1月29日に現地で報じられたところによると、インド・グジャラート州政府は産業界に廃液排出ゼロ(ZLD)技術の採用を促すため、技術系官僚、コンサルタント、および州の規制委員会関係者からなる専門家グループを立ち上げることを決めたという。
企業の廃液の性質などを考慮したテイラーメイドのプラントを提案
委員会は、企業が導入しやすい価格であるとともに、各々の企業ごとに廃液の性質や含まれる化学物質の種類、予算に基づき、テイラーメイドのZLDプラント技術を提案すると予定されている。さらに、この専門家委員会が作業を開始するに先立って、専門チームがZLDのためのマニュアルを作成するという。これはすべての産業のための包括的なマニュアルであり、必要となる様々なツールや装置、膜などを購入できる化学品会社などの情報を含むものとなる見込みである。これらの事項は2日間にわたり開催されたZLD技術に関する政策の事例、新興技術についてのワークショップにおいて決定された。このワークショップは、グジャラート州公害管理委員会(GPCB)とワシントン大学、インフラのリース等を主とするIL&FS社が立ち上げた開発・融資機関のIL&FS Academy of Applied Development(IAAD)が共同で開催した。
グジャラート州の環境・森林大臣、Ganpatsinh Vasava氏は「環境規制の強力な執行に加え、排水処分場の能力が限定的なものにとどまっていることから、我々はこの先、ZLD技術を採用せざるを得なくなるでしょう。ついに覚悟を決めるべき時が来たのです」と述べた。さらに、GPCBのK. U. Mistry長官は、「産業界は産業事故および汚染の防止に責任を負わなくてはなりません。私はここに参加するすべての人に対し、ZLD 技術がもつ様々な側面を理解し、ソリューションを打ち出して欲しいと訴えます」と述べ、産業界と社会の共存を訴えた。
また、環境森林省の副次官(Additional Chief Secretary)H K Dash氏は次のように述べた。「ZLD技術はお金になります。カリフォルニア、フロリダでは、廃水回収はビッグビジネスになっています。翻ってここインドでは、共同排水処理場(CETP)の容量で見た場合、その多くがグジャラート州に存在するのです」