ロシア・サンクトペテルブルク市、総投資額9000億円にのぼる2025年までの上下水道整備計画を承認

ロシア・サンクトペテルブルク市行政府は、2030年までの展望を見据えた2025年までの上下水道スキームを承認した。資料によると、2025年までに同市の上下水道システム整備に投資される額は2903億ルーブル(約9000億円)、このうち2829億ルーブル(約8770億円)が国営企業「サンクトペテルブルク上下水道局」(State Unitary Enterprise “Vodokanal of St. Petersburg”)の事業に投入される。

このプロジェクトの発表に際して、Committee for energy and engineering support of Saint-Petersburgでプレス担当を務めるZakharovskaya氏は「承認されたスキームに基づき、これから投資プログラムが立案される。資金源がどこになるかについて言明するのは時期尚早だろう」と述べている。また、立案されたスキームでは株式会社「Leningrad Oblast Communal Systems」(LOCS)との共同事業も想定されている。「上下水道局(Vodokanal)は市地域の給水信頼性を高めるため、将来的にLOCSから調達する水量を増やす予定だ」と、上下水道局のIpatova氏は述べている。

上水道関連には1256億ルーブル、下水道関連には1647億ルーブルの投資を予定

上水道関連プロジェクトには1256億ルーブル(約3893億円)が支出される計画で、給水施設及び水処理施設の新規建設と改修工事が実施されるほか、市の水道管網が年間200kmずつ更新されていく予定となっている。これにより2030年には、交換する必要のある水道管網が現在の40%から12%まで減少する。

一方で下水道関連の総投資額は1647億ルーブル(約5107億円)と評価されている。サンクトペテルブルクでは未処理下水の全面停止が予定されており、下水が直接放出されている排出口103カ所が2020年までに閉鎖される見通し。市行政府の計画では、活性汚泥プラント及び下水処理場の更新完了、また汚水処理場の新規建設も見込まれている。

この他にもスキームでは、並行集水渠の建設、既存集水渠および下水道網の更新の必要性が指摘されており、2025年までの集水埋渠20.7kmの建設、集水渠10km及び下水道網900kmの更新、郊外数十地域における上下水道の集中管理システムへの接続が計画されている。また、市に隣接する新興開発地域などの新規利用者による上下水道への接続確保に関する施策も策定されている。

現在、サンクトペテルブルグの上水道システムは、9つの給水施設と218のポンプ場で構成されている。水道管網の全長は6755km、主な給水源はネヴァ川(98%)と地下水である。一方、下水道システムは、13の下水処理場、3つの汚泥焼却施設、138の下水ポンプ場で構成されている。下水道網の全長は8119km、集水埋渠の全長は241kmである。市では下水の98.4%が浄化されている。

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