ボリビア、コンセッション方式で水事業を運営する共同組合数が過去5年で18から2100に増加

ボリビアの上下水道管理監査局(AAPS)は、2014年2月21日にサンタクルス市で行われた会計報告公聴会で、2008年から現在までに、コンセッション方式で水事業を運営する協同組合の数が18から2100に増えたと発表した。

ボリビアでは2001年に、コチャバンバ市の水道事業を運営していた米国系多国籍企業 Bechtel社が水道料金を大きく引き上げたのに反対して、多くの市民がデモを行い、1名が死亡するという事件が起きている。その後2004年から2005年にかけて、不当な水道料金に対する住民の抗議運動が続発し、2007年に、ラパス市とエルアルト市の上水事業を運営していたフランスのSuez社との協議により、同社の事業が政府に返還された。事業は1997年に30年契約が政府と締結されていたもので、Suez社はボリビア政府より550万ドル(約5億5550万円)を賠償金として受領したとされている。

一方、上下水事業を協同組合が運営しているモンテロ市では、他の市よりも高い、市民の平均収入の15%が水道代に充てられていたにも関わらず、住民の抗議は起きていない。これは、上下水事業が非営利団体の組織で運営されることで、上下水サービスの受益者が事業の運営に関与出来る仕組みになっているためと、同市の協同組合の役員は語っている。新しい投資や料金変更などの重要事項には組合員の承認が必要で、すべての組合員が平等に発言権を持っているという。
ボリビアで人口が最大のサンタクルス市で、95%の住民に上下水道サービスを提供している Saguapacも協同組合である。1979年の設立から、高度の技術を導入した効率良い運営と確固とした経済基盤で知られ、収集した汚水は100%処理して川に排出する、中南米では数少ない事業所となっている。

但し、全ての協同組合が効率よく運営されているわけではなく、非営利であることから新しい投資の為の融資を得るのが困難で、また政府の予算も政府が直接運営する事業に優先的にあてられるという問題も抱えている。

尚、ベネズエラやエクアドルと並んで左翼政権のボリビアでは、水事業だけでなく、鉱物資源開発、農牧業、住宅、教育、通信、電話などの分野で協同組合が多く設立されており、2013年4月10日に法令No.356「協同組合一般法」が公布されて、資本主義に対抗する手段としての協同組合の奨励と保護を目的とした協同組合監査管理局(Afcoop)が設立されている。

ボリビアの飲料水普及率は、全国平均で79%となっている。

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