カリフォルニア州のサンディエゴ郡水道公社が2014年春に公表した水供給計画をめぐり、これが気候変動への悪影響を無視しているとして、環境NPOのSan Diego Coastkeeperが同公社を相手取ってカリフォルニア州中部地区サンディエゴ上級裁判所に提訴した。同NPOは、水道公社の水供給計画がこのまま実行されると、この地域の水資源および気候変動への将来の影響がきわめて深刻になると主張している。
訴状のなかでSan Diego Coastkeeperは、郡水道公社が浄水プロセスに多大なエネルギーを使用しているとし、裁判所に対して、同公社にカリフォルニア州環境質法の遵守を命じるよう求めている。
環境NPOが指摘している問題点
San Diego CoastkeeperのMatt O’Malleyはこの訴訟に関する声明を発表し、水供給におけるエネルギーの使用には温室効果ガスの排出量を増大させ、気候変動を促進するはたらきがあるので、これを慎重に検討する必要があると述べた。O’Malleyはまた、サンディエゴ郡水道公社が進めようとしている水供給計画は非効率的であり、同郡の住民の健康、環境、および経済の安定にリスクをもたらすものだと述べている。
問題とされている郡水道公社の計画は、「地域水道施設最適化およびマスター・プラン更新」と呼ばれているもので、これに付随する「追加プログラムの環境影響報告および気候行動計画」とともに2014年3月27日に公表された。だが、San Diego Coastkeeperは、郡水道公社の水供給計画は節水と水リサイクルの重要性の認識に欠け、温室効果ガス排出削減のためのじゅうぶんな方策を含んでいないばかりか、かえって環境にマイナスの効果をおよぼし、今後何年にもわたって利用者にわるい影響をあたえることになると主張している。