中国におけるMBR市場調査結果、碧水源がトップシェア

水環境の悪化および水資源の不足が深刻さを増している中、中国は省エネ・汚染物排出削減およびエコロジカル形態構成に更に力を入れるようになっている。これによって、排水再利用が汚水処理の方向となり、MBR技術の大幅な普及に大きな発展チャンスを与えることになっている。

 

現在、MBR技術は生活排水、医療廃水、廃棄物浸出液、石油化学廃水処理などの分野に活用されており、また、関連技術の発展度合もますます加速しており、その潜在性には大きな期待が寄せられている。こうした中、中国は世界で最も活発な市場であり、各膜メーカーが注目を寄せている市場でもある。

中国水網は2010年から、「MBRを利用した排水処理プロジェクト」に関する特別調査を実施している。2014年の調査では、GE、三菱レイヨン、美能、旭化成、碧水源、津膜科技などを含めた膜メーカー、大規模MBRプロジェクトの経験を有するエンジニアリング会社、および北京市市政設計院、華北市政設計院などを代表とする設計機構などが対象となっている。内容としては、MBR技術を利用した市政汚水処理および重点工業分野の重点プロジェクト、例えば、食品工業、紡績工業、石油化学工業、廃棄物浸出液プロジェクトなどが対象である。同調査では更に、有力企業13社を選出し、詳細な統計分析も行った。

 

中国水網研究院の調査によると、2014年まで、選出された13社のMBRメーカーは、累計で1万トン級超規模のMBR技術を利用する事業138件を実施し、そのうち、碧水源社のプロジェクト数が最も多く43件で、次は美能社の29件で、三番目は津膜科技の17件である(下図)。

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図 MBRを導入したプロジェクト件数(企業毎)

 

処理能力(1万トン級以上規模)に関しても同様に、碧水源社、美能社、津膜科技社が上位3社であり、そのうち碧水源社は300万トン以上に達し、全体の51.3%を占めるという結果になった(下図)。

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図 導入したMBRの総処理能力(万トン/日)(企業毎)

 

近年、中国国内のMBR技術を利用した関連事業は大きな発展を続けており、外資系企業に独占されていた国内市場に変化が見られつつある。今回の調査では、138か所の1万トン級以上規模事業のうち、国内MBR企業が67件を担当し、48.6%を占めているに対し、外国MBR企業が71件であり、51.4%を占める。そして処理能力に関しては、国内企業は367.6万トン/日で61.85%を占めるに対し、外国企業は227.4万トン/日で38.2%を占めている。つまり、事業数からいえば国内企業と外国企業との差は小さく、処理能力からいえば国内企業は外国企業を超えていることがわかる。

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