シンガポール公益事業庁(PUB)とSuez Environnementは2015年5月4日、廃水処理、雨水管理、および自動検針をテーマとする3件の研究プロジェクトを共同で進める合意書を交わした。シンガポール経済開発庁(EDB)の支持のもとに交わされたこの合意書には、PUBのHarry Seah最高技術責任者と、SuezのPaul-Joël Derianイノベーション担当副社長が署名した。この日、PUB、Suez、およびEDBは合同で報道発表をおこない、そのなかで、PUBとSuezが情報通信技術と解析ソフトウェア・ソリューションを駆使して共同でスマート・ウォーター・グリッドの開発にあたることを明らかにした。
3つのテーマとTech Pioneer補助金
この共同プロジェクトには、雨水管理と自動検針の支援ツールの開発が含まれている。自動検針は、水の消費量を追跡するばかりでなく、消費者に節水をうながすのに利用できる可能性がある。共同プロジェクトのもうひとつのテーマは、スマート・モニタリングと先進的制御戦略を統合した高効率廃水処理プロセスの開発である。
PUB、Suez、およびEDBによれば、これらのプロジェクトにはEDBが管理するTech Pioneer補助金が出ている。この補助金、はシンガポールを「生きた実験室」として新技術の開発に挑む水企業を誘致するためのもので、企業はこの補助金を利用して新技術を実際の環境でテストし、商業化することができる。これについて、EDBのGoh Chee Kiongクリーン技術部長はこう述べている。「Suez EnvironnementとPUBの今回の提携は、グローバルな企業がシンガポールの政府機関と手を携え、スマートで持続可能な都市ソリューションをテストし、それを地域全体のソリューションにスケールアップするための理想的な「生きた実験室」たらんとするわが国の大きな狙いに沿ったものだ」