Suez Environnement、米Envirogen社と北米電気事業の水・排水処理で提携

米Envirogen technologies社は、2015年5月19日、北米の電気事業者に包括的かつ費用対効果の高い水・排水処理ソリューションを提供する目的で仏Suez Environnement社と排他的な提携関係(Collaborative Alliance)に入ったことを明らかにした。この提携関係において、Suez Environnement社が有する物理的・化学的処理技術とEnvirogen technologies社の生物学的処理技術が結合されるが、さらに協力分野を拡張することも検討されている。短期的な共同プロジェクトとしては、主に石炭燃焼残渣(CCR)に汚染された地下水や浸出水の処理ならびに排煙脱硫装置(FGD)からの排水の処理がある。

米国環境保護庁(EPA)は現在、水質浄化法に基づく排水制限ガイドライン(ELG)の改訂を行っている。この改訂は、米国に200カ所以上ある石炭火力発電プラントに設置されたFGDからの排水を主なターゲットとするもので、これらのプラントから排出される水銀、ヒ素、セレン等の汚染物質の削減を目的としている。また、改訂ELGではセレン、水銀、カドミウム、ヒ素等を含有するCCRも対象となる。FGDからの排水についても、またCCRについても、物理的・化学的技術と生物学的技術を併用した処理プロセスが必要となる。

Envirogen technologies社によれば、近年、鉱業部門における開発や発電事業部門での予備的調査により、セレン、硝酸塩、その他のオキソアニオンについては生物学的技術による処理が最も高効率で信頼性が高く低コストであることが実証されているという。同社は長年にわたり、北米の流動床炉(FBR)を備えた施設において生物学的処理を行ってきた実績を有する。同社のリチャード・リース社長兼最高経営責任者は、セレンや硝酸塩の削減目標を達成する上で前処理と後処理のプロセスをシームレスに統合することの重要性を強調し、Suez Environnement社との提携がもたらすシナジー効果への期待感を次のように述べている。

「発電事業における廃棄物ストリームは非常に複雑であり、サイトごとに異なっている。費用対効果の高い方法で処理要件を満たすためには、マルチコンポーネント型のソリューションの中から(各サイトの廃棄物ストリームに適合するように)調整された最良の技術を提供することが重要である。Suez Environnement社は発電事業を基盤とする非常に幅広い技術ポートフォリオと経験を有しており、それら技術と経験の応用により生物学的技術の潜在力を引き出すことに貢献してくれる」

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