中国膜工業協会は、2015年10月29日、「中国膜業界“十三五”戦略発展計画」を作成中であることを発表した。すでに決定している方針として、「十三五」期間中(2016-2020年)での膜業界の生産額倍増、そして水処理膜製品における大きな進展を見込んでいる。
協会内の関係者は次のように指摘する。「膜産業は、国家により戦略的新興産業として取り上げられ、中央政府から大きな注目と支持を得たおかげで、急速に発展してきた。近年の産業構造の調整、産業改善の促進、そして循環経済の進展は、膜業界に対して大きな発展機会を提供し、膜分野の重要な役割が徐々に認識され始めている」
膜協会が作成を進めている本計画における構想としては、下記の通りである。
- “十三五”期間における機能膜の生産額を“十二五”期間から倍増させ、年平均増加率約20%を達成させる。
- “十三五”期間の終わりには、機能膜の生産額2500億人民元を超え、また輸出額は年間100億人民元を達成させる。
- “十三五”期間中、複数の大型優良企業を育成する。具体的には、年間販売額が50億~100億人民元の超一流企業5社、年間販売額が10億~50億人民元の大型企業10社、2億~10億の良質企業20社を目指す。
また同計画の重点製品における要求としては、国内のRO膜関連技術を完全に国際先進レベルまで向上させ、海水淡水化RO膜の国内市場シェアを30%~50%に引き上げる。また、MF膜とUF膜の品質についても新たな進歩を遂げ、国内市場シェア60%~80%を達成させる。これまではRO膜に関しては依然として輸入する傾向が明確であり、また、MF膜とUF膜の国産率はわずか50%であった。市場シェア引き上げ目標を実現するために、関連主管部門の関係者は次のように述べている。「中核企業の力を借り、数箇所の国家級、省級のモデル技術センターを建設し、複数の産学研が結びついた産業技術イノベーション連盟、大学の構築を支持し、研究機関と企業による共同技術開発の方式により、共同R&D活動および関連資金投入を強化させる」
また市場関係者は、水処理膜の発展機会において「膜材料‐膜ユニット‐膜応用工程」といった膜技術の産業サプライチェーンの分析から、膜産業サプライチェーンにおける全体の製品・サービスの提供能力を持つ企業がより強い構想力を持っていると分析している。