中国、汚泥資源化を推進、2020年までに大都市における汚泥の無害化処理率は90%以上達成へ

2016年9月10日、中国汚泥処理処置促進会は河南省鄭州市で、2016年度汚泥トップフォーラム(2014年、2015年に引続き第3回目)を開催した。2016年3月までに、中国の市・鎮で3910か所以上の汚水処理場が建設され、汚水処理能力は1億6700万立方メートル/日に達している。中国で毎年3000~4000万トンの市政汚泥(生活汚水や産業廃液の処理過程などで生じる、有機質の最終生成物が凝集してできた固体を指す;含水率80%)が発生している。2020年までに、中国の市政汚泥の発生量は60009000万トン/年に達すると見込まれている

近年中国では一連の政策措置が打ち出され、汚泥処理産業の発展が促進されている。特に、適切な汚泥処理、資源の回収再利用、処理効率の向上と処理コストの引き下げなどが業者の関心を集めている。2015年4月に公表された「水汚染防止行動計画」(「水十条」と称す)に基づき、汚水処理施設より発生する汚泥は、安定化・無害化・資源化処理されるべきとされている。処理後の汚泥は関連基準を達成していない場合、耕地に入ることが禁じられる。汚泥の不法投棄地が全て取り締まられる。2017年までには、既存の汚泥処理施設は所定の基準を達成するように改造を果たし、2020年末までには、地方(省以下県以上の行政区画)レベル以上の都市における汚泥の無害化処理率は90%以上を達成すべきである

2016年5月に公表された「土十条」に基づき、関連基準を達成した処理後の汚泥は造園・緑化産業に再利用することが奨励されている。第13次5ヵ年計画期間中、汚泥処理産業は政府から政策と資金面の更なる支援を受け、その巨大な市場潜在力を引き出されると見られている。

中国では、長年、汚泥処理が推進されてきたものの、汚水偏重汚泥軽視、汚泥処理率が低い、責任の所在が曖昧などの問題に直面している。2015年初めの調査結果によると、汚泥の建築材利用・焼却・肥料製造・埋め立てなどの無害化処理率は56%であり、臨時処置された汚泥は全体の3分の1、行方不明となった汚泥は10%以上を占めているという。

そして、中国の汚泥処理産業は経済・技術・政策などの面で多くの課題に直面している。例えば、一部の地方では汚泥処理予算が確保されず、汚泥処理作業に悪影響を与えているとか、中国の汚泥は砂の含有量が高く、有機質も多いので、海外技術の多くはそのまま中国に応用できず、独自に関連技術の研究開発が必要となるとか、また、政府は汚泥処理産業への監督管理の欠落が深刻であり、体系的計画や科学的基準ができていない問題もあると、指摘されている。

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