インド、繊維業を対象とした新たな排水基準を施行――廃液排出ゼロ(ZLD)技術の義務化は見送り

インド環境森林気候変動省は、2016年10月10日、繊維業を対象とした排水基準を改定する“2016年第5次改正環境(保護)規則【英語名称:Environment (Protection) Fifth Amendment Rules, 2016】”を公布した。新基準では、BODの基準値が従来の150mg/Lから30mg/Lに改正されるなど、基準値が強化された。また、アンモニア態窒素、総溶解固形分(無機)、色度といった新たな評価項目が追加された

廃液排出ゼロ(ZLD)技術の採用義務化は見送り

なお、2015年10月~11月にかけて行われた意見募集の際に提案されていた“1日当たりの排水量が2万5000リットルを超える繊維工場に対して、廃液排出ゼロ(ZLD)技術の採用を義務付ける”との方針は撤回された。一方で、新基準には以下の条件が付与されている。

  • 淡水資源の使用量を最小化するため。処理水の環境への排出は、産業プロセス/灌漑での再利用ができない場合にのみ認められる。
  • 中央公害委員会は、環境に対する影響/懸念が大きい地域に立地する大規模繊維工場に対して、廃液排出ゼロ(ZLD)技術の利用を義務付けることができる

上述の2016年第5次改正環境(保護)規則原文は、以下のURLよりダウンロードできる(ヒンディー語に続いて英語併記、英語版を見る際にはスクロールして下のほうまでご覧下さい)。
http://egazette.nic.in/WriteReadData/2016/172159.pdf

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