米ジョージア州のHonda部品工場、廃水再利用プロセスを導入

多くの製造工程で水は重要な役割を演じているが、水源をきれいにかつ利用可能な状態に保つことは、Hondaが世界中の工場で最もこころがけている重点事項のひとつである。Honda Precision Parts of Georgia, LLC(HPPG、本社:ジョージア州タラポーザ)では、タラポーザ川から年間何百万ガロンという水を取り込んで工場で使用し、それをのちに処理して川に返していた。だが、これは無駄遣いだとして、HPPGはこのたび、Caloris Engineering, LLC(本社:メリーランド州イーストン)の自己蒸気圧縮(MVR)システム*1を使用した廃水処理方式を採用し、工場で――おもにクーリング・タワーで――使用している日量12000ガロンの水を蒸発によって処理し、それをリサイクルしてふたたび工場で使用することとした。この革新的な廃水処理方式は、これまでもおもに乳業界で使われてきたものである。

MVRシステムの採用について、HPPGのWayne Karcz施設管理部長はこう述べている。「われわれの目標は、工場で発生するすべての産業廃水を再利用できるようにすることだった。だが、旧来のシステムはすでに処理能力の限界に達していて、しかもそれは再処理した廃水を川に排出するものだったから、その水がいくら害がないといっても、われわれは使用した水をリサイクルしてネットの使用量を減らすためにできることをしたいと考えた」

MVRシステムの廃水処理への応用はこれが初めて

MVRシステムは工場排水を集めてそれを蒸発によって処理する。残った金属と油は回収する。こうして処理された水はカーボン・フィルターで濾過し、工場内での飲用以外の用途に再利用できるレベルにまで浄化する。MVRシステムが廃水処理に使われたのはこれが初めてのことで、2016年7月にHPPGで運転を開始して以来、年間に最大300万ガロンの水をリサイクルできる性能を示している

*1 http://caloris.com/wp-content/uploads/2016/06/CC-brochure.pdf

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