ブラジルのテメル大統領、3つの州の上下水サービス公社の民営化を発表

ブラジルのテメル大統領は、上下水サービスや空港、配電、高速道路、鉄道などの国営企業を、今後2年間で民営化すると発表した。これにより、合計34件の入札や競売が実施され、200億レアルの歳入が見込まれている。一方で、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)の勤続年数補償基金(FGTS)から拠出される300億レアルが、民営を請け負う企業に貸し付けられることも発表されている。

民営化は8月末に解任されたルセフ政権時代から予定されていたが、実施には至っていなかった。テメル政権は、左翼政権で低迷した経済を活性化し、1180万人の失業者を救済することを目標としている。上下水サービスに関しては、ロンドニア州の上下水サービス公社CAERD、パラ州の公社COSAMPA、リオデジャネイロ州の公社CEDAEが、2017年から民営化される予定となっている

なお、都市省が発表した2014年上下水サービスに関する調査書では、ブラジルでは57.6%の住民が下水道サービスにアクセスがないが、2003年から2006年の下水サービスへの政府の投資は150万レアルだったのが、2007年から2015年には、2014年の12億レアルをピークに、合計70億レアルに達している。この投資により、5300万人の住人が、下水サービスにアクセス出来るようになった。

民営化に対しNGO団体のALBAは、政府は、住民の必要性に応じて過度にならない上下水道料金を多くの市町村で設定しているが、民営になると、水源からの水の調達の難易度や住民の収入レベルにより、市町村より料金に差が出ることになるだろうと警告している

リオデジャネイロ州の場合は、国営の上下水道会社CEADEは5つに分割され、水源確保及び汚水処理は国営となるが、その他の分野が民営化される。国営として残る部門は一番収益が少ない部門であり、これにより毎年収益を上げているCEADEは、今後赤字となるだろうと、CEADEの労組は述べている。

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