2018年1月25日、中米エルサルバドル上下水局ANDA局長は、2039年までに上下水の完全普及を目指す「国家上下水インフラ計画(PLANAPS)」を大統領に提出した。エルサルバドルでは、水の使用にかかわる法的枠組みが整備されていない為に、上下水インフラ開発が制限されていたが、国家上下水インフラ計画はこれに対する戦略計画として、また国連の「水の人権」決議や、2030年に向けた持続可能か開発目標6「安全な水とトイレを世界中に」を考慮して策定された。
国家上下水インフラ計画書は、スペイン国際協力公社AECIDの150万ユーロの融資で作成された。在エルサルバドルのスペイン大使は、エルサルバドル政府による、上下水分野のニーズや、確固とした政策の制定を実行する機関を特定する作業に参加できたことに、満足の意を表明している。
国家上下水インフラ計画では、20年間で約110億ユーロを投資して上下水インフラを整備し、気候変動による災害や、人口増加、汚染、旱魃などへの対応能力を高めることも期待されている。
国家上下水インフラ計画実施のためには、水に関係する政府機関の体制強化が必要であり、このため政府は、ANDA管轄の国家上下水評議会(CONAPS)の創設を提案している。CONAPSは、上下水に関する全ての事項の国内外での代表として、国家上下水インフラを実行する機関となる。CONAPSの創設は特別委員会が担当し、政治的、技術的、財務的にどのように機能するかを策定する。
国家上下水インフラ計画の受領を発表した大統領は、水資源を確実に保護する為には、法に違反して自然資源を汚染する者への罰則措置の規定も必要であり、国会に対して、国家が上下水サービスを効果的かつ持続可能な形で提供できるように、水一般法案を早急に承認するよう呼びかけている。
エルサルバドル国家上下水インフラ計画のエグゼクティブ・サマリーは、以下のサイトでダウンロード可能。
http://www.aecid.sv/wp-content/uploads/2018/02/RESUMEN-EJECUTIVO-PLANAPS.compressed.pdf