コスタリカ政府、2017-2030年国家飲料水政策を発表

コスタリカ政府は2018年1月26日、上水道網普及や水資源の保護、気候変動対策、関連機関の能力強化戦略をまとめた、「2017-2030年国家飲料水政策」を発表した。本政策は、以下の4本を柱とするものとなっている。その他、国家飲料水政策の実施状況のモニタリングとフォローの為の技術委員会が創設され、毎年報告書が作成されることが規定されている。

1. 水資源の利用に関する意識の啓蒙
  • Ÿ教育省の参加で、水資源の保護と適切な使用に関する教育を実施する。
  • 飲料水供給の為の水資源に関する情報交換や研究を奨励する。
2. 上水網インフラと供給サービスへの投資
  • Ÿ上水供給インフラの更新と、人口増加を考慮した効果的な投資マスタープランの作成。
  • Ÿ上水道事業者の体質を強化する、水道料金の設定見直し。
  • Ÿ新しい投資への官民協力。
  • Ÿ上水の質と量、サービス、供給網、持続性、信頼性に対する使用者の満足度を高める、飲料水管理戦略の策定。
  • 増える水源汚染への対策。
3.上水使用者のニーズと供給者を効率よく結ぶ行動計画
  • Ÿ 水資源と上水管理への住民の参加奨励。
  • Ÿ 上水分野の発展のための、官民協力戦略の策定。
  • Ÿ 上水管理を改善するための規約の見直し。
  • Ÿ 上水道網が普及していない地方での、官民協力による上水システム開発。ただし民営化ではなく、政府の責任と権限は維持する
4. 飲料水回りの環境管理
  • 水資源の効率使用奨励。
  • Ÿ水資源のモニタリングによる、飲料水供給計画作成。
  • Ÿ推定水量に従った、水使用割り当てを決める規約の策定。
  • Ÿ飲料水の質を維持する水資源の総合管理。
  • Ÿ気候変動対策を含む、水資源へのリスク管理。

なおコスタリカにおける2015年の水資源利用は、飲料水用が22%、農牧用が21%、食品加工業用が19%、工業用13%、灌漑用10%、観光用8%となっている。


図 コスタリカでの水資源利用内訳
(出典:2017-2030年国家飲料水政策)

また水道が敷設されている家庭の州別の内訳は下表の通りで、全国では92.5%に達している。

表 コスタリカでの上水道接続率
(出典:2017-2030年国家飲料水政策)

戸数 水道接続率(%
San José 400,961 96.6
Alajuela 236,927 94.8
Cartago 130,464 96.7
Heredia 122,410 93.8
Guanacaste 92,584 88.7
Puntarenas 119,302 85.1
Limón 109,316 77.3
合計 1,211,964 92.5

2017-2030年国家飲料水政策は、以下のサイトからダウンロード可能。
https://www.aya.go.cr/Noticias/Documents/AyA%20Pol%C3%ADtica%20Nacional%20de%20Agua%20Potable%20de%20Costa%20Rica%202017-2030.pdf

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