Veolia North America(本社:マサチューセッツ州ボストン)は2018年7月9日、American Water Works Company, Inc.から水処理サービスなど23事業を2700万ドル(約30億円)で買収したことを明らかにした。Veoliaはアメリカとカナダにおける浄水・廃水処理サービスのトップ・プロバイダーのひとつだが、今回の事業買収によって、コア・ビジネスである自治体向け水処理事業を拡大し、北米全体で110人の従業員を新たに雇用することになる。
今回買収した事業には、アメリカ第5の都市であるアリゾナ州フェニックスや、ワシントン州シアトルなどの有数の大都市圏をはじめとする北米各地の自治体向け水処理事業が含まれている。また、自治体以外の顧客としては、イリノイ州内の大学や、飲料会社、食品加工会社、化学業界の企業などがある。Veoliaはその事業のほぼ4分の1を浄水および廃水処理のソリューションが占めており、新たな顧客へのサービスを中断させることなく確実に事業を引き継ぐことができる。同社は、今回買収した事業の顧客企業のリーダーらや自治体の住民らときめ細かく協力していきたいとしている。
今回の買収でVeoliaが引き継ぐ23の事業の内訳は、廃水処理が13事業、上水道関連が4事業、上下水道関連が5事業、蒸気・圧縮空気の供給が1事業となっている。また、地理的には、18事業がアメリカの8州(コネチカット、オハイオ、ノースカロライナ、イリノイ、ミネソタ、アリゾナ、カリフォルニア、およびワシントン)、5事業がカナダのオンタリオ州となっている。また、今回の事業買収は、アメリカ西部におけるプレゼンスを高めるというVeoliaの戦略に沿ったものでもあり、買収した事業のうち6つが同地域に属している。