ロシアの国営原子力企業Rosatomは2018年6月28日、傘下のRusatom Smart Utilities(JSC “ITPC”)と水ビジネスの世界最大手のひとつSuezが淡水化、浄水、および廃水処理の分野で提携する覚書を交わしたことを公表した。覚書の調印式は、パリで開催中の世界原子力展示会の会場でおこなわれ、JSC “ITPC”のKsenia Sukhotina代表取締役とSuezのFrederic Hisberguesグローバル電力市場担当執行役員が署名した。SuezとRosatomはこの戦略的提携により、淡水化プラントや浄水・廃水処理システムのプロジェクトに、機器、部品、アセンブリなどの供給も含めて共同であたることになる。とりわけ重点が置かれるのは、淡水の供給、石油・ガス産業向けの水プロジェクト、スマート・シティにおけるスマート・ウオーター施設などである。
この提携について、RosatomのKirill Komarov経営企画・国際ビジネス担当第一副社長はこう述べている。「Rosatomは、原子力利用の淡水化にユニークな実績があり、ハイテクの生産設備をもっているほか、世界クラスのエンジニアリング施設の建設にも豊富な実績がある。Suezのような水技術のトップ企業と力を合わせることでシナジー効果が生まれ、その結果として、両社は世界の水市場で新たなビジネス・チャンスをつかみ、さらに新しい市場を開拓していくことができるだろう」
また、Suez Water Technologies and SolutionsのHeiner Markhoff CEOはこう述べている。「新たな市場と地域へ進出しつつあるRosatomとパートナーを組めるのを誇りに思う。今回の合意によってわれわれは、淡水化と産業向けの水再利用の分野で新たな協力の機会を得ることができ、また、ロシアやその他の国ぐににおけるスマート・シティ・プログラムの支援も可能になる」