メキシコのケレタロ州の都市開発法改正の為の第6回市民フォーラムで、同州での水の再使用に関する政策確立の重要性が国会議員から提議されたと、2019年3月14日に報道された。提議した国会議員は、新しい都市開発区域では水を分離して再使用の為に処理し、緑地の灌漑は飲料水ではなく処理水を利用する法規則を制定する必要があるとし、州都であるケレタロ市で使われる水の最低95%は再使用されるべきであると述べている。
同議員によれば、ケレタロ州は常に水不足問題に直面しているが、都市部では水の責任ある管理意識がなく水が浪費されているため、水の再使用の重要性が認識される必要がある。ケレタロ州では、2011年に全長123 kmの上水道が稼働を始め、水源であるモクテスマ川から州全体で使用される水の50%が供給されている。水は2030年まで供給できるとされているが、4~5年で水の供給不足となる見込みという調査結果も出されている。
ケレタロ州の都市開発・公共工事管理副局長は、近年の都市の開発と成長により、インフラ用資材や自然資源の需要が増えている。水資源の需要も増加しており、現時点で資源がどのくらいあって、何を目指すのかを認識し、飲料水や適切な下水処理へのアクセスを保証する持続可能な街となることが重要であると強調している。これに対しケレタロ州の水当局一般局長は、水の再使用は産業界でも基本的なテーマとなっており、州内の緑地は処理された水で灌漑されるべきであると述べた。
なおケレタロ州は、自動車産業が集積する中央高原地帯に位置し、日系企業も多く進出している。