中国海南省、「海南省2019年度水汚染防止行動計画」を発表――具体的な水質目標を掲げ、違法事業者の公表など情報公開の強化を図る

中国海南省水汚染防止行動計画実施業務指導グループ事務室は、2019年3月27日、「海南省2019年度水汚染防止行動計画」を発表した。同計画の主な内容は、以下のとおりである。

水質目標

  • 国の地表水評価断面における水質の優良率:100%、省級評価断面における水質の優良率:4%。
  • 都市部における悪臭汚水(黒臭水)の除去率:海口市100%市、三亜市100%。
  • 都市(鎮)における集中式飲用水源の水質の優良率:100%。
  • 地下水モニタリング地点において安定した水質を保ち、極めて劣悪な水質の割合を0%に抑制。
  • 沿岸海域の水質における優良率:国が管理する沿岸海域では100%、省が管理する沿岸海域では95%。
  • 89の都市部の内陸河川(湖)水域(95の断面)における水質の基準到達率:85%。
    • 水質等級は、優良、良好、比較的良い、比較的悪い、極めて劣悪の5段階。

計画の主な内容

  1. 水域の整備強化。
    • 汚染水域の整備推進を急ぐ。
    • 汚染水域の水質モニタリングと取締りを強化する。
    • 国および省級の評価水域の整備を推し進める。
  2. 飲用水源地における基準に沿った建設や、環境問題対策の徹底的な実施。
  3. 農業農村における汚染防止の推進。
  4. 都市部における汚染対策の強化
    • 都市汚水処理施設の建設を急ぐ。
    • 汚水処理場の1級Bから1級Aへの基準引き上げ改造を急ぐ。
    • 汚泥の処理・処分の強化。
    • 節水の強化(2020年までに水道漏水率を10%以内に抑制)。
  5. 地下オイルタンクの設備更新を急ぐ。
  6. 海域に汚染物質を排出する排出口に対する管理の強化。
  7. 船舶や港での汚染防止の推進。
  8. 科学技術による支援の強化。
  9. 情報公開の強化。
    • 「双随機一公開(検査要員と検査対象を無作為に抽出し、結果を直ちに公開する取り組み)」に従って、事業者の汚染物質排出状況に対する抜き取り検査を実施し、「イエローカード」企業(環境保護警告企業)や「レッドカード」企業(環境保護不良企業)を定期的に公表する。

なお、「海南省2019年度水汚染防止行動計画」の原文については、以下のURLより閲覧可能である(中国語簡体字)。
http://www.gepresearch.com/uploads/soft/190412/9_1558363541.pdf

 

タグ「」の記事:

2020年3月23日
中国水利部、「2020年水土保全業務要点」を発表――生産や建設における水土保全関連法規への違反行為を厳しく処罰し、「ブラックリスト」に加えるなど信用管理を実施
2019年12月27日
中国工業情報化部、水利部など、「2020年重点水使用企業水利用効率トップランナー選出業務実施に関する通知」を発表――選出の対象や基本的要件、選出手順など規定
2019年12月3日
中国北京市政府、水環境対策3年計画を発表――汚水処理施設の整備などの措置を提示
2019年12月2日
中国生態環境部、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」を発表――農村黒臭水対策モデル事業の展開も規定
2019年9月18日
中国、「京津冀工業節水行動計画」を発表――重点業種の工業用水の効率化を目指す