コロンビアの住宅省大臣は、2019年8月15日にコロンビアのアルメニア市で開催された「第一回農村部への水供給国家コンファレンス」で、農村部の上下水インフラを改善する新しい「農村への水プログラム」を発表した。上下水インフラや、上下水サービス及び水の質の地域格差の是正を目的とするものとなっている。
大臣によると、農村部の住民はコロンビアの全人口の23%を占めているが、上下水への予算の4%しか農村部にあてがわれておらず、農村部の問題の解決に対して議論だけで、十分な資金が投資されていない。このため政府は、国家予算から1000億ペソ、ロイヤリティや税金、国際協力などの資金から4000億ペソを農村への水プログラムにあてるという。
また大臣は、上下水プロジェクトは作成段階から必要な技術要件を満たしていないことも問題であり、農村部の水インフラプロジェクト作成を専門に行うチームを創設してプロジェクトの作成自体をやり直すと述べている。
コロンビアでは、都市部の上水普及率は97.9%であるが農村部では71.54%で、下水処理普及率は、都市部は92.85%なのに対して農村部では73.88%となっている。特に太平洋及び大西洋岸地方は全国平均よりも低く、上水普及率が30%以下、下水処理普及率がわずか10%の農村もある。プログラムは、2022年までに優先地域で上水普及率を24%から40%、下水処理普及率を10%から22%とすることを目標としている。
またプログラムでは、国際企業ではなく農村部の地元住民による、上下水サービス運営の質の強化への援助も考慮されている。農村部の上下水インフラに関する情報不足も問題であり、政策の策定やより良いプロジェクト策定に必要な情報収集の改善も、大臣は指摘している。農村への水プログラムでは、最低70の農村部の市町村の情報を収集してシステム化し、全国で13のプロジェクト作成チームを創設し、2019年中に150以上、また来年からは年間300の地元住民による上下水サービス運営を強化することが目標とされている。