台湾経済部、工業分野での水の再利用を促進へ

2015年4月10日に報じられたところによると、現在深刻な水不足に直面し、厳格な給水制限を実施する必要に迫られている台湾では、特に工業分野を対象とした水の再利用を促進する方策を検討しているという。これは経済が成長する中でも工業分野への給水量を増やさないという国家的目標に向けた取り組みとなる。

経済成長と工業用水の「ゼロ成長」の両立を目指す

記録的な小雨が続く台湾では現在、約70年ぶりの深刻な干ばつに苦しんでいる。そのため、2014年11月に第1段階の給水制限(夜間の給水圧力を下げる)が開始され、続いて2015年2月から給水制限が第2段階(非工業用水は20%、工業用水は5%の給水制限、大口利用者が対象)に強化された。今回はこれをさらに強化した第3段階の給水制限となる。具体的に、4月8日以降、台湾北部で家庭への給水が輪番制で週に2日停止され、さらに4月15日からは台南市および高雄市において工業用水の給水制限が10%に強化された。経済部の楊偉甫副部長によれば、経済部では現在、行政院(内閣)からの指導に従い、「経済が拡張する中でも工業分野への給水量を増加させない」ことを長期的目標に、これを達成するための施策を検討し、業界団体と本件について協議しているという。

2031年までに1日120万立米の再生水製造を目指す――海水淡水化施設の建設計画も

また、経済部では、2031年までに1日に120万m3の再生水を製造するという国家目標を設定した。これは同国全体の公的に供給される水の約1割に相当する量である。楊氏はまた、台湾政府は再生水のためのソースを提供するとともに再生水資源を開発しなくてはならないと語った。また、経済部長の鄧振中氏は4月8日、経済部はこの他にも、将来の水需要に応えるため、台湾の北部、中央部、南部に海水淡水化プラントを建設することを計画していると述べた

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